恋をすると女性ホルモンが増えてきれいになる! 性行為で女性ホルモンが増える! そんなイメージをもっていませんか? 更年期症状は女性ホルモンの急激な低下が大きな要因になりますが、もし女性ホルモンが増やせる方法があって、症状が改善できるのであれば嬉しいですよね。とはいえ、本当に恋や恋愛や性行為で女性ホルモンが増えるのか、研究結果とともに見ていきましょう。
恋や性行為で女性ホルモン濃度が変化するかを調査した結果は?
講座でこのような質問を受けました。
「恋愛や性行為をすると女性ホルモンが増えるって聞いたんですけれども、本当ですか」(48歳・女性)
皆さんのなかにも「恋をすると女性ホルモンが増えてきれいになる」「好きな人と肌を触れあうことで女性ホルモンが出る」といったイメージを持っている方がいるかもしれません。
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実は、恋愛や性行為と女性ホルモンの関係はアメリカで研究結果が報告されています。*
*出典:Ankita Prasad, et al. Sexual activity, endogenous reproductive hormones and ovulation in premenopausal women, Hormones and Behavior, Vol 66(2), 2014, pp. 330-338.
アメリカ国立衛生研究所と研究グループが、18歳から44歳の女性259人を対象に行った調査です。朝、採血をして血液中の女性ホルモンの濃度を計測するとともに、性行為の有無を調査しました。その結果によると、研究中に性的に活発であった女性は、性的に活発でなかった女性と比較して、エストロゲン濃度が高かったのです。これは、性行為によって女性ホルモンの濃度が上昇したというわけではありません。
女性ホルモンの濃度が高いときに、性行為の頻度が増えたという結果になっています。一方、今回ご質問をいただいたように、恋や性行為によって女性ホルモン濃度が上がるかどうかについても、調査結果があります。答えは「年代に関わらず、性行為によって女性ホルモン濃度は変化しない」でした。恋をして、また、肌の触れあいで女性ホルモン濃度が上がるなんて、少し夢がある話かもしれませんが、現実はそんなに甘くはなかった、というわけです。
更年期にも体調を整えてキレイでいるためにできること
調査結果の内容に少しがっかりされた方もいるかもしれません。しかし、更年期であっても体調を整えて“キレイ”でいるためにすぐに始められることはいろいろあります。何よりも、基本的な生活習慣で体を整えていくことです。まずは運動する習慣をもつこと。体を動かすと、更年期症状が和らぐこともわかっています。
新年の新しい取り組みとして、気軽に始められるウォーキングを痩せやすいタイミングに行うのはどうでしょうか?おすすめは、朝食前のウォーキングです。朝起きたら水分を1杯分とり、ストレッチをして体を慣らしてからウォーキングをします。すると、代謝もあがり、自分の体についている脂肪も燃焼され、その後の食事の食べすぎも防げます。さらに、1日を明るい気持ちでスタートできます。ただし、糖尿病などで血糖値が下がりすぎる危険がある方は、まずはかかりつけ医に相談して指示をあおぐようにしてくださいね。
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家のなかで簡単にできる「お尻歩き」もおすすめです。
やり方
①床に脚を伸ばして座る。脚を伸ばすのがつらい場合は、少し膝を曲げてもOK。
②両手を腰に当てて、“足踏み”するようにその場で“尻踏み”する。右のお尻を上げる、下げる、左のお尻を上げる、下げる、を繰り返す。お尻を上げるときは、骨盤と肋骨の間の脇腹の筋肉を縮める、下げるときは伸ばすことを意識する。