2023年1月、三条会商店街にオープンした「Premarché Cacaolate Lab（ぷれまるしぇ・かかおれーと・らぼ）」は、原料の選別から製造まで一貫して行うビーントゥバーのチョコレート専門店。自然食品を扱う地元企業が手がけ、カカオが主役の進化型チョコ「カカオレート」を販売しています。「生産者から作り手、食べる人まですべての人を豊かにしたい」。そんな思いを込めて大切に作られる、やさしいチョコの魅力に迫ります。
堀川三条から千本三条まで、約180軒もの店舗が連なる三条会商店街。堀川通側の入口近くに店を構える「Premarché Cacaolate Lab」は、同じ商店街で自然食のレストランやジェラートショップを運営するプレマが、2023年1月にオープンさせた新店舗です。木をふんだんに使ったおしゃれな外観に「何のお店だろう」と足を止める人も少なくありません。
古いコンクリートの建物を壊さず、木と鉄の風合いを加えてオーナーが再生したインダストリアルな内装が特徴的。スタイリッシュながらもあたたかみのある雰囲気に心惹かれます。
カカオレートを並べたテーブルの上に鎮座するアンティークの秤。使い込まれた金属の質感が存在感を放ちます。
壁面の大きな黒板アートは、スタッフの一人が丹精込めて描いた力作。取材時は、カカオ豆がカカオレートに加工されていく様子がかわいらしいイラストで描かれていました。
「カカオレート」という見慣れない言葉に、「ん？」と首を傾げた方も多いはず。そもそもカカオレートって、普通のチョコレートとどう違うんでしょうか。店長の中川さんによると、カカオレートの最大の特長は「食べる人を豊かにすること」「作る過程で誰も傷つけないこと」だといいます。
動脈硬化予防などに効果の高いポリフェノールを豊富に含み、気持ちを落ち着ける鎮静作用もあるカカオ。カカオレートには、一粒一粒丹念に選別したベトナム・ドンナイ産カカオが70％使用されています。カカオの恵みをぎゅっと閉じ込めた味わいは豊かで奥深く、「ひとかけらで満足できる！」とうれしい感想も寄せられるとか。
チョコレートは、大量生産・大量消費が主流の商品。さまざまな業者が関わることで、途上国のカカオ農家が不利益を受けることも少なくないそう。そのため「Premarché Cacaolate Lab」は、農家から直接豆を仕入れ、選別から成型まで一貫して手がけることにこだわっています。「カカオ農家さんはものづくりの大切な仲間。搾取された材料は使いたくないんです」と中川さん。少しずつ丁寧に作られるからこそ、作り手と心が通う安心感があります。
店頭では、オーソドックスなものから京都ならではの素材を使ったものまで、個性豊かな5種(2023年2月取材時)のカカオレートを販売。カカオ豆をイメージした楕円形の模様が並ぶキュートなパッケージにも注目して。
オーソドックスなカカオレートを楽しみたいなら、「素のままシグニチャー」1000円がおすすめ。口の中でゆっくり溶かすと、カカオの苦みとベリーのようなさわやかな酸味、国産てんさい糖の自然な甘さがじんわり広がります。
「伝統の純米 玉乃光酒粕」1100円は、伏見の酒蔵・玉乃光の純米酒粕を練り込んだ京都らしいフレーバー。酒粕のふくよかな香りとカカオレートの奥深いほろ苦さが相性抜群です。
カカオレートを100%楽しむ！充実のカフェメニュー
店内のイートインスペースでは、カカオレートを使ったこだわりのスイーツやドリンクを提供！多彩なアレンジでますます際立つカカオレートのおいしさを、100％堪能しましょう。
食べごたえ十分のどっしり食感がうれしいカカオレートのガトーショコラ750円。濃厚なコクとベリーのような独特の香りが口の中で溶け合います。香り高いエチオピア産のアンドロメダコーヒーを隠し味に使い、国産のてんさい糖で仕上げた素朴な甘さが魅力です。
季節限定の「カカオレートフォンデュ」1000円は、イチゴとバナナ、パンを温かいカカオレートに浸していただく贅沢な一品。とろとろのカカオレートをたっぷりつけて、お気に入りの組み合わせを探してみて。
ふわふわにホイップした濃厚ミルクで仕立てた、寒い時期にぴったりの「ホットカカオレート」800円。ミルクの甘さがカカオレートの複雑なうまみを引き立てる、大人のチョコレートドリンクです。ミルクの代わりにオーツミルクも選べるので、ヴィーガンの方も安心。
■Premarché Cacaolate Lab（ぷれまるしぇ・かかおれーと・らぼ）
住所：京都市中京区三条堀川西入橋西町672 1F
TEL：075-600-2232
営業時間：10～18時
定休日：火・水曜日
アクセス：バス停堀川三条から徒歩1分
