腸の役割は消化・吸収・排泄機能だけでなく、幸せホルモンで知られるセロトニンや免疫細胞など、そのほとんどが腸に支配されていると言われるほど! この連載では、週末にお家で簡単に作れる「腸コンディショニング」レシピを紹介していきます。隔週金曜更新。
岡清華
心身の健康は、腸からはじまる。腸は第二の脳と言われているほど、心身の健康を担う最も重要な臓器です。腸の役割は消化・吸収・排泄機能だけでなく、幸せホルモンで知られるセロトニンや免疫細胞など、そのほとんどが腸に支配されていると言われています。腸内細菌のバランスが取れ、腸が活発に動き始めるとあらゆる不調が解消され、快適な心身を保つことができます。
そして、この「腸」を整えるには善玉菌をつくる発酵食品、善玉菌の餌となる水溶性食物繊維、オリゴ糖を積極的に摂取し、悪玉菌の餌となる 動物性蛋白質を少し控えめに意識することが重要なんです。「腸コンディショニング」レシピでは、これらのポイントを押さえた料理法を紹介します。腸内環境を整える為のHOW TOとして、今回は 食物繊維が豊富で、優れたミネラルバランスをもつ "海藻"がキーワード。
昔から日本人の食卓に並んできた「海藻」は、優秀な腸コンフード!
海に囲まれている日本は海藻の宝庫と言われており、ワカメ、昆布、ひじき、海苔、もずく、めかぶ、寒天など、昔から様々な方法で調理された料理が食卓に並んでいました。海藻は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類やビタミンA, B2などのビタミン類も含まれており栄養豊富なだけでなく、水溶性の食物繊維や、海藻のヌルヌルしたフコイダンという成分により、体内に蓄積する老廃物等の要らないものを排出する効果もあると言われています。
腸を整えるキーワードである”ミネラル” “水溶性食物繊維” を含む海藻ですが、最近の研究によると、現段階では海藻を分解することができる腸内細菌を持っているのは日本人だけなのだとか…。昔から海藻を食べる文化があった日本は、海藻の恩恵を受けやすい腸内に変化していったのではないかと言われています。伝承医学アーユルヴェーダでも、生まれ育った土地の伝統的な食品を摂取することが良いとされています。私たち日本人ならではの伝統食品「海藻」を使用した料理を日々少しずつ取り入れていきましょう。
ワカメ/photoAC
今回紹介するのは…
ミネラルと水溶性食物繊維たっぷり「シーフードスープ」
レシピのポイント
日本人は伝統的に馴染みのあるものの、サラダや味噌汁や煮物…などワンパターンになりがちな海藻。日本ではオイルと炒めるなどのイメージはないが、海外では海藻をバターで炒めた料理や、海藻入りバターなども開発されているほど、相性がいいものです。
シーフードスープ
材料(2人前)
・生ワカメ…20g(なければカットワカメ小さじ1を水に浸して戻す)
・ギー(もしくはお好みのオイル)…小さじ1/2
・すりおろし生姜…小さじ1/2
・水…500ml
・塩麹 or 岩塩…適量
・醤油…小さじ1/2
・ごま…小さじ1/2
・ブラックペパー…2振り
作り方
1.小鍋にギーを温め、すりおろした生姜を入れ、馴染んだらワカメを入れて炒める
2.ワカメにオイルが馴染んだら、醤油、ごまを加え、再度なじませたら水を注ぐ
3.沸騰手前で塩麹や岩塩などでお好みの塩味に仕立て、最後ブラックペパーをふりかけ風味を出して完成。(具材を入れたい場合は豆腐や卵など、沸騰手前のタイミングで追加する)
今回は手に入りやすいワカメで作ってみましたが、日本では豊富な種類の海藻が手に入るので、是非色々な種類で試してみてくださいね。昆布は毎日の料理の出汁に、ひじきは大豆製品や野菜と煮物や炒め物に、ワカメはスープ始め、炒め物やご飯に混ぜ込む…などして日常に取り入れてみてくださいね。きっと腸内環境が少しずつ改善してくるはずですよ!
教えてくれたのは…岡清華さん
Vegan,Organic,Ayurvedaをコンセプトに、飲食店や個人でのケータリングサービスにて料理提供を経験した後、広尾の会員制ヨガスタジオ「デポルターレヨガ」でヨガトレーナーを務めるほか、管理栄養士としてクラブ会員の栄養指導や、フード開発,レシピ監修を行った。2017年6月より毎月開催しているイベント「腸コンディショニングTraining & Lunch」の講師としても活動している。