今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
豊作を呼び込むために
今週のさそり座は、ついつい漏れ出てしまう本音をきちんと汲んでいこうとするような星回り。
『我が生は淋しからずや日記買ふ』(高浜虚子)という句のごとし。作者が66歳の頃の作。
初老を過ぎた男性にとって、「仕事のない人生」というのはそれをどう乗りきっていけるかが問われる一つの大きな課題となっていきますが、年の暮れというのはきっとそうした課題の難しさを改めて突きつけられるタイミングなのでしょう。
あなたもまた、怒涛のように押し寄せてきた仕事の波や人の波から距離をとって、ほっと一息ついていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
さようであるならば
今週のいて座は、ここしばらく着こみ過ぎて重荷になってきてしまった「幻想」を捨てて、少し身軽になっていこうとするような星回り。
「人間は日常生活をひっくりかえすために戦争をする。そのことによってわれわれがいかに日常生活を憎んでいるかがわかる。」
心理学者の岸田秀は、こうしてさまざまな常識をことごとく「それは原因と結果が逆だ」とひっくり返してゆきます。人間はポンコツだからこそ文明を作らざるを得なかったのであり、岸田が「壊れたラジオ」と形容する人間は、現に日常生活においてうまく音が拾えなかったり、信号が伝わらなかったりといった不具合をしょっちゅう起こしている訳です。
あなたも、そうしてこれまで着込んできた幻想の衣をエイヤっと脱いでみせるにはちょうどいい頃合いのはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ある種の家出
今週のやぎ座は、既存の価値観や支配構造から身を引いていこうとするような星回り。
『クリスマス馬小屋ありて馬が住む』(西東三鬼)という句のごとし。作者による自句自解を読むと「たまたまクリスマスの日に、暖かそうな藁を敷いた馬小屋に、のうのうと住んでいる馬を見て羨望に堪えてなかったのです」と書いてあります。
自句自解に書いてあったような羨望は、しょせん短期的な物質主義の延長線上にあるものにすぎず、経験から得られる長期的な意味を求めていくのであれば、たとえボロでも馬と枕を並べて暮らせる家に住むほうがよっぽど価値があるのではないでしょうか。
あなたもまた、自身の社会生活に本質的な変化をもたらすような問いを自分事として発していくことになるかも知れません。