ボディケア法として話題の「筋膜リリース」。ヨガに活かせる簡単な方法を、峯岸先生に教えていただきました。指先・足先を少し動かすだけで、柔軟性が劇的に変わります!今回は、苦手とする人が多い「前後開脚」が劇的に変わる筋膜リリース。
ヨガジャーナル日本版編集部
前後開脚のための筋膜リリース:浅後線とラセン線をゆるめよう
浅後線(Superficial Back Line)とは
浅後線は、足から頭まで体の後面を結ぶ筋膜ライン。ハムストリングもこの中に含まれるので、前後開脚の前脚が伸びにくいときは、このラインをリリースすると開脚が深まります。
Illustration by Misako Nakagawa
浅後線のゆるめ方
坐骨結節のほぐしで腿裏の筋膜をリリース
浅後線が通っている坐骨結節をリリースして、同じ浅後線グループのハムストリングを間接的にゆるめます。ハムストリングは大きな筋肉なので、ここを直接リリースするよりも、坐骨結節からアプローチするほうが簡単です。坐骨結節は座位で体重をかけることで容易に刺激できます。ブロックを活用するとより効果的です。
POINT:坐骨結節は坐骨の一番とがった先端部分から指2本分外側の面。
ヨガブロックの上に片側のお尻をのせ、坐骨結節をマッサージするようにゆらす。1分半行ったら反対側も。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
ヨガに活かせばポーズが深まる
ウッティターパールシュヴァコーナーサナで、伸ばした腕の手首を曲げると、腕線の筋膜がゆるみ、胸が開きやすくなります。このように、ポーズで末端の位置を少し変えるだけで筋膜ラインが刺激され、ポーズが深まります。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
ラセン線(Spiral Line)とは
後頭骨下部から体をラセン状に取り巻く筋膜ラインです。股関節を跨ぎ前脛部までつながっているので、腿の付け根の硬さがあるときにラセン線のどこかをリリースすることで前後開脚が楽になります。
Illustration by Misako Nakagawa
ラセン線のゆるめ方
腹斜筋を伸ばして股関節を柔軟に
腹斜筋の筋膜にアプローチして、反対側の骨盤、股関節の筋膜をゆるめます。ラセン線は斜めに走行しているので、側屈することで筋膜がリリースされ、骨盤の動きにかかわる大腿筋膜張筋、腸脛靱帯などがゆるんできます。たくさん曲げようとせず、呼吸を大きく入れて、体側が膨らんだりしぼんだりしながらゆるんでくるのを待ちましょう。
POINT:右手で床を押し返すと腹斜筋が刺激され筋膜がゆるみやすくなる。
左膝を曲げ、右脚を伸ばして右へ側屈。左肘を遠くへ離し腹斜筋を伸ばす。呼吸しながら1分半。反対側も。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
前後開脚系ポーズが深まった!
前後開脚の象徴的なポーズ、ハヌマーナーサナで確認すると、ひと目でわかるほど開脚角度が広がった!
BEFORE
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)