風邪をケアするうえで、大切なのが呼吸器系の働き。胸郭が柔らかくなると呼吸器に届く空気量が増加し、呼吸の質がぐっと上がります。硬くなった胸郭を、異なる動作で効率よく柔軟に。理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆき先生に、肺が正しく機能する3つのヨガポーズを教えていただきました。
ヨガジャーナル日本版編集部
柔軟性のある胸郭へ導く3つのポーズで質の良い呼吸へ
風邪を寄せつけない体をつくるには、 呼吸の質も大切。
「呼吸で働くのが、胸椎と肋骨、胸骨に囲まれた“胸郭”。肺の下でポンプのように働く横隔膜をはじめ、多くの筋肉が付着しています。ところが加齢や運動不足などでこれらの筋肉が硬くなると呼吸も浅くなってしまうんです」と、堀川先生。
そこでおすすめなのが、胸郭をさまざまな方向からストレッチして周辺の筋肉や関節を柔軟にする3つのポーズ。新鮮な空気をたっぷり取り込みながら、体も心もリフレッシュして!
POSE1:スフィンクスのポーズで伸展屈曲
目的:みぞおちから上を伸ばす・丸めるでウォームアップしよう
呼吸に合わせて屈伸運動を繰り返すことで、胸椎の柔軟性がアップ。肋骨や肺まわりの筋肉を刺激して、空気を取り込む胸郭のスペースを広げます。
HOW TO
①うつ伏せで脚を腰幅に開き、肘から先は床。息を吸い胸椎を伸ばすように胸を開く。
POINT:恥骨は床に押しつけたまま骨盤をキープ。腰の反りを防いで、胸椎だけをピンポイントに反らすことが可能に。
息を吸う、スフィンクスのポーズ/photo by Shoko Matsuhashi
②息を吐き、肩甲骨の間を持ち上げておへそを見る。5秒で吸う・吐くを5セット行う。
息を吐く、スフィンクスのポーズ/photo by Shoko Matsuhashi
NGポーズ:首を反らせるのはNG。目線は上でなく、自然な伸びとともに前へ。
photo by Shoko Matsuhashi
POSE2:パリブリッタアルダハヌマーンアーサナで回旋
目的:胸椎の周辺をツイストさせて呼吸筋をゆるめよう
胸を開いて胸椎をねじり、肩甲骨をスライドさせるような動きで肋骨まわりの筋肉をストレッチ。胸郭の柔軟性を高め、スムーズな呼吸を促します。
HOW TO
①膝立ちの姿勢から片脚を前に出し、つま先を立て、両手は体の両脇で自然に床へ。
POINT:骨盤を引いて頭頂部を突き出し、背骨の真っすぐなラインをキープ。正しいねじりの効果を得るにはマスト!
photo by Shoko Matsuhashi
②脚を伸ばした側の手を吸う息で上げ、吐いて下ろす。5秒ずつ5セットを反対側も。
POINT:骨盤を引いたまま、肩甲骨から開くように腕を伸ばし、雑巾を絞るようなイメージで背骨をツイストさせる。
パリブリッタアルダハヌマーンアーサナ/photo by Shoko Matsuhashi
NGポーズ:背中を丸めないように注意。みぞおちを天井に向けるイメージで。
photo by Shoko Matsuhashi