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[体験談]「苦しまない方法でも貯金はできる!」外食や推し活を楽しみつつも、お金を貯めるコツ

「老後に2000万円が必要」と言われ始めて数年。老後資金を貯める必要があるのはわかるものの、物価高もあり、なかなか貯められず悩んでいる人も少なくないのでは。それに老後のために生きているのではなく、今の生活だって楽しみたいですよね。『お金の不安すっきり解消! 理系夫の家計大作戦』(はちみつコミックエッセイ)では、お金を貯めつつも楽しく生きるヒントが描かれています。作者のくぼこまきさんはK-POPの推し活もしているとのこと。くぼさんに貯蓄の方法や考え方、推し活との両立についてお話を伺いました。

決まった額を貯金するのではなく「貯められるだけ貯める」

——夫さんの給与口座をメイン口座とし、1年の初めにキリの良い数字(くぼさんの場合は100万円)に整え、残りは別の口座へ移し、増減をチェックするという方法をとっています。節約・蓄財では「先取り貯金(給与が入ったら決まった額を別の口座に貯金しておく)」が有名ですが、くぼさん方式のメリットをお伺いしたいです。

うちの場合はきちんと管理し、先取り貯金をした残りで生活することへのハードルが高かったんです。家計簿をつけたこともあったのですが、失敗してしまって……。夫婦ともに自分が苦しまない方法で管理することが大前提です。そこで毎月細かく収支をあわせるというよりは、年間でどのくらい貯められたかをすぐに確認できる仕組みにしました。

家計簿の目的は家計の状況を把握すること。100万円を超えた部分=年間を通して貯金できた額なので、手間は少ないながらもどれくらい貯まっているかがすぐに確認できるところがメリットです。先取り貯金ももちろん有効だと思うのですが、1年間支出がずっと均一なわけではないので、先取り貯金を崩したくなるようなことが発生する可能性もあると思います。少し余裕を持たせておかないと自分の首を絞めることにもなる。

うちの方法だと決まった額を貯金するのではなく「貯められるだけ貯める」という考え方なので、先取り貯金よりも増える可能性があります。目標値を設定してしまうと、達成したら満足してしまうので、できる限り支出を減らす。もちろん上手くできないときもありますけどね。

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『お金の不安すっきり解消! 理系夫の家計大作戦』(はちみつコミックエッセイ)より

——別の口座に分けておかないとつい使ってしまいそうです。

与えられた額を使い切るのではなく「本当にこれだけのお金を使うべきなのか」と普段から考えることで、自然と気をつけるようになって、無駄遣いをしなくなりました。先取りする額にもよりますが、この考えができるようにならないと別口座に移しておくだけで安心してしまい、先取り貯金以上のお金が貯めにくくなるような気がしています。

「少しでも安く」とはいつも考えていて、たとえばファミレスに行っても値段が安くなるクーポンをチェックするはマストですし、買い物も底値は把握しているつもりです。無駄に高いものを買いたくない気持ちは強いですね。「この範囲内で必ず暮らしていこう」と自分を縛り付けるよりも、普段の生活でお得に買える方法や無駄遣いしないように考え方を変えていくことを重視しています。

ただ、家庭によってやり方が違いますし、性格に合うかもポイントですし、自分に合う方法を探すことが大事だと思います。

——「無駄遣いをしない生活」を続けるために工夫していることはありますか?

必要なものをお得に買うことは趣味も兼ねて楽しんでいるところがあります。つらいと続かないですし。常にお得な情報を気にしているからか自然と目に入ってくるんです。

業務用のお店などのように量が多くグラムあたりは安いというものもありますが、今の自分の生活に必要な量を買わないと逆に損が多いかもしれません。

たとえば、百貨店の食品売り場は大手のスーパーより高いイメージがありますが家の近くの百貨店の場合、野菜がスーパーとさほど変わらない値段で売っていることが多く、夜になると半額くらいに値引きされていることもあって。1000円程度で1週間分の野菜が買えるんですよね。お魚も結構な数が半額になっていて、実は安くて質が良いものが売っています。その百貨店の株を購入して株主優待券をもらっていて、値引きされているところからさらに10%引きで買っています。配当金も出ているので、投資をしながら生活必需品をお得に買物できているわけです。これは周辺のお店の相場を把握しているからそう感じることができたのだと思います。

また、「無駄遣い」というのは無くても特に困らないけどただ欲しいだけものを買うことを指しますよね。必要ないものにお金を使わないのはお金を貯める基本です。投資が難しいのであれば投資の代わりに無駄遣いを減らすことが重要で確実だと思います。

スーパーをはしごするといった時間をかける方法よりは、トータルで安くなる方法をとっています。安さだけを重視して品質の低いものを買うと満足度も下がるので、品質面も重視しています。100円均一で売っているものでも、少し金額を上乗せするだけで品質もデザイン性も良いものが買えることもある。長い目で見たときに満足度が高いか、コストに対してどれだけの満足度が得られるかもポイントです。

「小遣い制」をとらない理由

——小遣い制をとっていないとのことですが、欲しいものは買えているのでしょうか。

夫も私も必要なものがあれば「こういうものが欲しい」と話をして買うようにしています。小遣いが決まっていると、その範囲で限度まで使いたくなってしまいます。「今月はいくらまでは使っていい」ではなく、より支出を下げる努力をしています。

小遣いもそうですが結婚してから夫婦間でのプレゼントをするのはやめようと夫から言われました。プレゼントの費用は結局家族のお金から出ているわけですし、欲しい物がもらえるとも限りません。お金は自分が本当に欲しい物を買うために使ったほうがいいので、私もその考えには賛同しています。

——家族の生活費を夫さんの口座から引き落とすことになったとき、くぼさんの方が「不公平じゃない?」と心配されていましたよね。夫さんは「家族のお金なのだからどこから引き落とされても関係ない」とおっしゃっていましたが、やはり不公平感が出ないのか気になります。

うちは「誰の口座に入っても家族のお金」という考えで、夫の口座が家族の中で一番お金が入ってくるので、毎月引かれるような固定費の引き落としをする口座にして、家計の基本としています。それぞれがお金を管理する形だと、家を買うなど家族で大きな買い物をするときの計画が難しいので、家族のトータルで考えるようにしています。

私が買いたいものがあるときは、自分の口座から支出しています。その都度夫にお伺いを立ててお金を出してもらう方が手間ですし。ただ、お互いにお互いの口座を見ることができますし「分けてはいるけれども、一緒の家計」という感覚はあるので、誰が何に使っても気にならないです。無駄遣いと思われるようなことをすれば「こういうことは使わない方がいいんじゃない?」って言われるかもしれませんが……。

——趣味に関するお金は小遣い制でないと「これって必要なの?」と相手のお金の使い方が気になってしまいそうなイメージがあります。

うちの場合は隠さずにお互いの好きなものを知るようにすることを大事にしていて、自分自身がすごく楽しんでいて、何か生活の張りになるようなものだったら「自分に対する投資」という考えです。

私はK-POPが好きで、色々なグッズを買ったり、コンサートに行ったり、遠征に行ったりしていますが、何にいくら使ったかは夫も確認できるようになっています。私はアクセサリーやブランド物には興味がなく、他のことにはあまりお金を使わないので、夫も「生活に支障のない範囲だったら全然いいんじゃない」という感じです。

おそらく黙っていることに問題があるのではないかと思います。私はお金の使い方を伝えていますし、どれだけ推しのことが好きなのか、推し活によって家族に楽しく話ができたり、友達が増えたり、ジャンルの知識が増えたりなど良い効果もあって……と説明をしていて、今は夫も娘も私の推しを好きになりました。

ただ、これも家族の関係性や相手の性格もあるので、必ずしも上手くいく方法ではないと思います。K-POPを好きな友人の中には、夫に話していない人も珍しくないです。自分で「良い年をして、若いアーティストにハマっているなんてみっともない」と思ったり、夫から「恥ずかしい」と言われたり、CDを買うだけでも非難されることもあるようですし……。

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