新グッズの告知=納税のお知らせ
——くぼさんは2021年に『理系夫のみるみる片付く! 整理収納術』を描かれています。推し活と整理整頓・節約は相性が悪いイメージがあるのですが、困ったことや解決した方法についてお話しいただけますか。
物が増えていくことは1番の課題でした。推しの所属事務所のロゴが入ったダンボールでマンションができてしまって(笑)。整理収納の本を出した頃に推しのグッズがたくさん出るようになって、物が増え始めました。
でも整理収納そのものと同じで、持っているものを把握しないことが散財の原因の一つ。まずは自分の持ち物を確認しましたが、同じようなものや所持していることを忘れてしまっていたようなグッズもあり、本当に欲しかったのかどうかよく考えるきっかけになりました。
片付けの過程で客観的に見ることにより、今まで持っていたものを使うようになったり、収納にも限りがあることを実感し、物を増やそうとあまり思わなくなる効果もありますね。
新しいグッズが出たから、と飛びつかないこともポイントです。グッズを増やすこと=スペースとお金を減らすことなので、一度冷静になることが大切です。スペースにもお金にも限度があるからです。所有品をすべて確認してみると存在を忘れているものも多いので、既に持っている推し活グッズを大切に使っていくことも必要ですね。
——推し活をしていると新しいグッズがどんどん発売されます。欲しいという気持ちや応援のために購入したいという気持ちにどのように勝っていますか?
なんでも欲しくなってしまうのもわかりますが(笑)、お金をどこに使うかはよくよく考えるようにしています。グッズに使うのも一つですし、チケット代などライブに使うこともできますし、地方で開催する場合は交通費や宿泊費もかかります。目に見えるもの以外にも意外とお金がかかっているのですよね。
新グッズについては売り切れてしまうことを恐れ、焦って買ってしまったこともありました。今はグッズを買うときは落ち着いて考えるために「納税」という言葉を使うようにしています。グッズの告知は「納税のお知らせがきた」と変換し、できるだけ節税する方法を考えます。グッズをフルで買うなら、フルで納税するということ。節税しなかったらこれだけかかると考えると、少しでも減らそうという気持ちになります。
石油王ではないのでなんでも買えるわけではありませんよね。かけた金額を後悔しないように楽しむにはどうしたらいいか、家計と持ち物を把握するのが大切だと思います。物も家計も整理するとどのくらい使っているかも見えてくるので、冷静になれる部分はあるのではないでしょうか。私にとって整理収納や家計管理と推し活は相性が悪いというよりは、切っても切り離せない関係だと思います。
※後編に続きます。
『お金の不安すっきり解消! 理系夫の家計大作戦』(はちみつコミックエッセイ)
【プロフィール】
くぼこまき
クルーズ・ビュッフェ好き漫画家。
著書6冊『理系夫のみるみる片付く!整理収納術』『参道めし』『クルーズ、ハマりました! 』等
■公式サイト:http://www.kubokomaki.com/
■X(旧Twitter):@kubokomaki
■Instagram:@kubokomaki