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肋骨を触りながら呼吸してみよう|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

理学療法士として活躍する得原藍さんが、ヨギに知ってほしい「体にまつわる知識」を伝える連載。今回は、ヨガとは切り離せない「呼吸をするときの肋骨の動き」について学びます。

得原藍

美容

「胸」の動きに意識を向けて呼吸をしてみよう

呼吸を意識するとき、どの部分の動きに注目しますか。腹式呼吸、という言葉があるように、腹部に手を置いて膨らみやへこみを感じることが多いのではないでしょうか。横隔膜の動きや、それに伴う腹腔の容積の変化は、とても大事な要素ですが、ときには「胸」の動きに意識を向けてみましょう。そこには肋骨があります。その中には肺があって大きな血管と心臓があって、生命を支えています。肋骨の動きを意識すると、横隔膜の動きと連動して各部分がそれぞれの動きをしているのがわかります。肋骨がうまく動かなければ、中の肺も大きく膨らむことができないので、横隔膜の動きとともに肋骨の動きも確認できるといいと思います。

肋骨は、胸部の前方にある胸骨という縦に長い骨からはじまって、背中の骨である脊柱まで、美しいカーブを描いて左右の空間を作り出しています。まずは胸の上部に手を置きましょう。上部の肋骨は、鎖骨の真下から始まっています。ですので、一番上の肋骨は正確に触ってたどることが難しい位置にあります。背中側も、大きく厚い筋肉に覆われているので触ることはかないませんが、呼吸をすると、上に持ち上がったり、下に下がったりする様子が感じられると思います。もしあまり感じられないようなら、手を置いた場所を吸い込んだ空気で押し広げるようにして、意識的にその部分に「空気を入れる」ような感覚で呼吸してみてください。どうでしょうか。うごきましたか。この部分は肩周りが緊張していると動きの感じづらい部分でもあります。肩周りを使うアーサナを行う前後で比較してみると、変化が感じられるでしょう。

アーサナ

肋骨の下部は、上部とは違う動きをします。手を置いて呼吸してみると、上に持ち上がる、というよりは、横に広がるような動きを感じることができると思います。上部と下部の動きの違いは、関節の形状が違うことから生まれるのですが、下部は横隔膜が直接繋がっている部分なので、その動きとの連動をより強く感じることができます。下部に空気を入れることを意識するときには、肋骨の中に風船が入っていることをイメージして、風船を大きく膨らませるような動きをするように呼吸するとそのダイナミックな動きがわかります。ここがうまく動かないと、横隔膜もうまく動かないので、この部分の肋骨には特に意識を向けて欲しいと思います。

ヨガだけでなく様々なボディーワークでも肋骨の動きが意識されますが、例えば床に置いたポールの上に寝て脊柱を刺激するようなストレッチでは、肋骨の動きの根幹である脊柱と肋骨の関節の動きが改善されることもあるようです。また、もっと手軽に、膝を抱えた「体育座わり(三角座り)」の状態で、ヨガマットの上をゴロゴロと起き上がり小法師のように転がってみるのもいい方法です。直接脊柱周りの可動性を上げる効果があります。自分自身の意識ではうまく動かないなあと感じている方は、そういった方法も取り入れてみるといいかもしれません。

教えてくれたのは…得原藍さん
大学時代にアメリカンフットボールの学生トレーナーをした経験から身体運動に興味を持ち、卒業後社会人経験を経て大学に再入学し理学療法士となる。総合病院と訪問リハビリテーションで臨床経験を積み、身体運動科学について学ぶために大学院に進学、バイオメカニクスの分野で修士号を取得して5年間理学療法士の養成校で専任教員を勤める。現在はSchool of Movement®️ IES Directorとして様々な運動関連職種の指導者に対してバイオメカニクスを中心とした身体運動の科学を教えている。

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