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腸の専門医が推奨!「おなかの悩みにはキウイフルーツ」

グルメ

健康にも美容にも悪影響する便秘。なかなか改善できない症状ですが、食生活でどうにかなるかもしれません!30年間で4万人の腸を診てきた腸の専門医、松生恒夫先生が講師を務めたメディア向けセミナーで、便秘を改善する方法と、腸を整えてくれるというある物質についてきいてきました。

macaroni編集部

腸の専門医が教える「便秘を改善する方法」

Photo by macaroni
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今や国民病ともいわれる便秘。大きな病気の原因になることも多いというこの困った症状、どんな食生活を心がけたら改善していけるのでしょう。2019年5月30日(木)、東京・大手町のAP東京丸の内で開催されたメディア向けセミナー『いま医学界が注目する 腸活の新常識』には、そのきっかけを読者に届けたい各種メディアの取材者が大勢集まり、会場を埋め尽くしました。

“世界を魅了する小さな果実”のキャッチフレーズでおなじみのキウイフルーツで知られるゼスプリが主催したこのセミナー。講師として登壇したのは、30年間で4万人の腸を診てきた腸の専門医、松生恒夫(まついけ・つねお)先生。

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松生恒夫(まついけ・つねお)先生松生クリニック院長 医学博士。東京慈恵医科大学卒、同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年より現職。
日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医
『寿命の9割は腸で決まる』『日本一の長寿県と世界一長寿村に学ぶ腸にいい食事』他、著書多数

松生恒夫 先生|profile

大腸内視鏡を専門とし、腸についての複数の著書をもつ松生先生が語った便秘を改善する方法と、いま注目を集めている腸を整えるある物質。便秘の悩みを解消してくれるかもしれないその内容は、あのフルーツがもつ可能性を知らしめ、魅力を再認識させるものでした。

日本人の腸内環境は悪化の一途

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女性の便秘症有訴者は多く、現代病と言われる不眠と比べてもより大勢が症状を訴えているといいます。その数は、自覚症状がある人だけで約500万人。実数は1000万人を超えるといわれています。

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特に女性の20〜50代は、男性に比べて3.6倍が便秘症状を自覚しているとのこと。また、男性は60代以降、女性は70代以降で便秘の有訴者が急激に増加しています。

松生先生が患者を診察・治療するなかでも、腸内環境に深刻な問題を抱えている人を毎日のように見かけるそう。多くの場合自覚症状がほとんどないため、薬の飲用を気まぐれにやめた結果、お通じがまったくなくなってしまう……、そういう人が大勢いるといいます。

便秘は寿命にも影響!? 便秘は大腸の病変の第一歩

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上のグラフはアメリカのある大学の調査結果。約4000人を15年間追い続けた結果、慢性便秘症の人のほうが生存率が低いと出ました。「理由については明確にはなっていないけれど、事実としてこういう結果がある。やはり便秘じゃないほうがいい、ということです」と松生先生。

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こちらは大腸の図。便秘になると、このなかのS状結腸〜直腸のあたりに便が溜まるんだとか。結果、「老廃物が溜まりやすくなる。こちらも因果関係は明確ではありませんが、大腸ガンの約7割はこのあたりにできるんですよ。それはつまり、便秘の人のほうが大腸ガンになりやすい可能性があるということ」(松生先生)。

やはり、老廃物は速やかに体の外へ出したほうがいいようですね……。軽く考えがちな便秘という症状が、だんだん恐ろしいものと感じられてきました。

食物繊維が効果的!でも日本人の摂取量は……

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おなかの調子を整えるといえば、まず思いつくのが食物繊維。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があるのをご存じですか?水溶性は海藻やフルーツ、里芋などに多く含まれるゲル状の食物繊維。不溶性は穀物や野菜、豆類、キノコ類などに含まれている食物繊維です。2001年、松生先生は、慢性便秘症の人を対象にある調査をしたそうです。

「水溶性食物繊維を常時、30日間摂取を続けてもらい、服用している酸化マグネシウムの量を計測したんです。酸化マグネシウムというのは軟便剤、低刺激性の便秘薬です。これが減ったのであれば、この食物繊維にはお通じをやわらかくする作用があるということ」

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結果は上のグラフのとおり。水溶性食物繊維の摂取前よりも摂取後のほうが明らかに酸化マグネシウムの服用量が減りました。この事実は食物繊維学会へ論文で報告し、周知されています。

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ただ、水溶性食物繊維の有効性がわかってきた一方で、食物繊維の摂取量は年々減少。松生先生が調査結果を発表した2001年以降も改善は見られず、1日の摂取目標量の20gよりも低い数値(14〜15g)をウロウロし続けています。松生先生はその原因を、「日本人が穀物をたくさん食べていた時代というのは食物繊維の摂取量が多かったんです。しかし、だんだん食べ物の選択肢が増えたことで、食物繊維の摂取量は減ってしまったということだと思います」と考察。かつては25g以上を毎日当たり前のように摂っていた日本人が、いまではこんな有りさまとは……、身につまされる現実です。

注目される「酪酸」は腸内環境の救世主?

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食物繊維の摂取量がなかなか上向かず、慢性的な便秘を抱える人が後を絶たない現在。状況を変えてくれそうな“特効薬”はあるのでしょうか。

松生先生によると、今、ある物質がにわかに注目を集めているんだとか。それは、食物繊維(特に水溶性)やオリゴ糖が腸内菌に分解されたときにできる短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸・プロピオン酸)のひとつ、酪酸。

「腸内の短鎖脂肪酸が多くなって酸性に傾くと、善玉菌が増える。なかでも酪酸は大腸をつくる成分だったり小腸の第2番目の成分だったりすることがわかってきて、注目を集めているんです」(松生先生)。

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腸内の酪酸を増やすことで得られる効果は、善玉菌が増えることによる成長効果、日本に24万人いるといわれる潰瘍性大腸炎をはじめとする腸の病気の改善、血糖値のコントロール、肥満や糖尿病の予防、さらにはアレルギー性疾患の抑制など、まさに多種多様。酪酸を体の外から直接補うのはむずかしいそうですが、分解されやすい水溶性の食物繊維をより多く摂取すれば増やすことができるといいます。

腸だけでなく全身の健康に大きな効果を期待できそうな酪酸。この酪酸をどう活用するかが、今後健康を考える上での課題となっていくかもしれませんね。

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