低カロリーで食物繊維が多く含まれている寒天。実は、主食、主菜、副菜、デザートまで、幅広く使えることはご存知ですか?上手に活用すれば、ダイエットの強い味方に。寒天をダイエットに役立てるためのポイントや、注意点などを管理栄養士が解説します。
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寒天ダイエットで期待できることは?
便秘予防に役立つ
ダイエットをはじめると、食事量が減って、便秘になりやすいという人も多いのではないでしょうか。寒天には、低カロリーでありながら、食物繊維が多く含まれているのが嬉しいポイント。
食物繊維は、便通をスムーズにし、腸内環境を整えるうえで欠かせない成分。身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれることもあります。
食べたものをきちんと出して、体にため込まないようにしていきたいですね。(※1)
血糖値の上昇を防ぐ働きが
食物繊維には、整腸作用のほかにも、血糖値の上昇を和らげる働きがあります。血糖値が上がると、膵臓から血糖値を下げる働きがあるインスリンというホルモンが分泌されます。
急激な血糖値の上昇は、インスリンの過剰分泌につながり、2型糖尿病のリスクを高めてしまうため、注意が必要です。
インスリンは、血液中の糖を細胞にとりこみ、エネルギー源として利用するサポートをするだけでなく、余った糖からグリコーゲンや中性脂肪を合成して体に蓄積することも促進します。
食物繊維を上手に取り入れて血糖コントロールをし、インスリンの過剰分泌を防ぐことは、糖尿病予防の観点からだけでなく、ダイエットにも重要です。(※2)
ダイエットに役立つ!寒天の基礎知識
寒天ってなに?
もともとは、海藻のテングサの粘液質を凍結させ、乾燥したもの。現在は、テングサだけでなく、オゴノリ(海藻)も原材料として混ぜているものも多いようです。
スーパーなどでよく見かけるのは、棒状の「角寒天(棒寒天)」と粉末状の「粉寒天」。最近では、サラダやスープ用にパッケージされた、糸状の「糸寒天」も販売されています。
カロリーはどのくらい?
寒天のカロリーは、1回で使用する目安の量(角寒天で8g、粉寒天で4g程度で算出)で計算すると、約7〜12kcalほど。
水分を吸収し膨らむため、お腹にたまりやすいという特徴があるのも嬉しいポイント。低カロリーなのでダイエット中でも安心して食べることができます。(※3,4)
食物繊維が豊富ってほんと?
寒天は、食材の中でも食物繊維が豊富。寒天の1回の使用量で考えると、約3〜6gの食物繊維を摂取することができます。
100g当たり(乾燥)の含有量は、角寒天で74.1g、粉寒天で79.0g。食物繊維が多いと言われているごぼうは、同じ100gあたりでも5.6g。
それぞれの食材は1回あたりに食べる量が異なりますが、同じ100g当たりで比べると、ごぼうの約13倍の食物繊維を含んでいますよ。(※3,4)
寒天を上手に活用するポイントは?
食事の最初に食べる
お腹が空いて、つい食べ過ぎてしまった経験はありませんか?食べはじめてから満腹を感じるまでにはタイムラグがあるので、一気にたくさん食べてしまう場合が多いのです。
そのため、食事の最初に寒天のように低カロリーで満腹感を感じやすい食材を、よく噛んでゆっくりと食べると、食べ過ぎ防止に役立ちます。(※5)
間食(デザート代わり)に食べる
ダイエット中でも、間食したくなったり、甘いものが食べたくなったりしますよね。とはいえ、ケーキ、クッキー、チョコレート、スナック菓子などのような食品は、糖質と脂質が多く、高カロリーになりがちなので避けたいところ。
そこで、寒天を上手に活用すれば、低カロリーなスイーツを楽しめるので、間食を我慢するストレスは感じにくいと言えるでしょう。寒天を使ったスイーツの定番は「牛乳かん」。スーパーやコンビニでも販売されており、100gで約65kcalほどと低カロリーです。(※6)