低糖質ダイエット、ビーガンダイエット、キャベツダイエットなど、世間ではさまざまなダイエット方法がありますね。しかし、今回は流行のダイエットに流される前に知っておきたい、ダイエット中の食べ物の選び方の基本を管理栄養士の視点からお伝えしていきます。
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ダイエット中の食べ物選びで大切なこと
カロリーを意識する
一般的な体重コントロールの考え方として、1日の消費カロリーよりも、食事からの摂取カロリーを低くすれば、体重を減らすことができます。
消費カロリーは、大きく分けて基礎代謝量(約60%)、食事誘発性熱産生(約10%)、身体活動量(約30%)の3つで構成されています。
そのうち、基礎代謝量は筋肉量に依存し、食事誘発性熱産生は食事を食べる量に依存するため、こちらに関しては努力をしても大きく変わりません。カロリー消費を高めるには、運動のほか、日常生活での身体活動量を増やすことが大切です。
しかし、無理に食事のカロリーを減らしすぎるのは禁物です。一時的には減量が期待できますが、ストレスがたまるうえに必須栄養素の摂取量が不足し、健康を損なうリスクとなるおそれがあります。無理をしない範囲で、少しずつ摂取カロリーを抑えるのがポイントです。(※1,2)
バランスよく栄養を摂る
ダイエットというと、食事のカロリーを減らすだけで良いと思っている方もいるのではないでしょうか?
ダイエット中、カロリーだけに意識が向いてしまうと栄養バランスが偏りがち。カロリーが低いからと、決まった食材ばかりを食べるなど、栄養バランスが偏った食事を続けていると、健康を損なってしまうことがあります。例えば、食物繊維不足で便秘に繋がってしまったり、鉄分不足で貧血になってしまう可能性が考えられます。
カロリーだけでなく、主食や主菜、副菜、汁物から栄養バランスを意識しながら食べ物を選び、健康的にダイエットを行いましょう(※1)
ダイエット中におすすめの食べ物【米やパン類】
玄米
玄米と精白米を比較すると、カロリーの差はあまりありませんが、玄米は、食物繊維の量が精白米よりも多いのが特徴です。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類されていて、働きが異なります。水溶性食物繊維は、血液中のコレステロール濃度を低下させる働きが、不溶性食物繊維は腸を刺激して蠕動運動を促し、便通を促す働きがありますよ。玄米にはどちらの食物繊維も含まれています。ダブルの働きで、快腸をサポートしてくれるのが嬉しいですね。
カロリー
玄米……165kcal
精白米……168kcal
食物繊維
玄米……1.4g
精白米……0.3g
(※すべて炊飯後100gあたりの値)
そのほか、玄米はビタミンB1、ビタミンB6などのビタミン類、カリウムや鉄などのミネラル類も精白米より多く含んでいるので、積極的にとりたいですね。(※3,4)
まずは、精白米を玄米に置き換えることからはじめましょう。
苦手な場合は、精白米の一部を玄米に置き換えたり、三分づき、五分づき、七分づきなどで少しずつ玄米に慣れるのもおすすめですよ。
雑穀
雑穀にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとして、大麦、きび、あわ、ひえ、アマランサス、黒豆、赤米などがあり、精白米と比較するとどれも食物繊維を多く含んでいます。
食物繊維は、消化酵素によって分解されずに小腸を通り、大腸まで行き届き、排便を促進する働きがありますよ。雑穀も玄米と同様、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が豊富に含まれているので、ダブルの力でおなかをスッキリさせてくれます。(※3,4)
精白米に1〜2割程度の雑穀を混ぜて、雑穀米にして食べましょう。
もしくは、サラダにゆでた雑穀米を入れて食べる、スープの具材として食べる、と言った食べ方もおすすめです。
全粒粉のパン
全粒粉のパンは、パンを作るときに使う小麦粉の種類を強力粉ではなく、全粒粉に置き換えて作ったパンです。全粒粉は強力粉と比較すると、カロリーが低く、食物繊維(特に不溶性食物繊維)が多いのが特徴的。
不溶性食物繊維は、便のカサをましたり、大腸や小腸の蠕動運動を活発にして便通をよくする働きがあるため、便秘が気になる際には積極的にとりたい成分のひとつです。(※3,4)
カロリー
全粒粉……328kcal
強力粉……365kcal
食物繊維
全粒粉……11.2g
強力粉……2.7g
不溶性食物繊維
全粒粉……9.7g
強力粉……1.5g
(※すべて100gあたりの値)
まずは、普通のパンを全粒粉のパンに置き換えるところから始めましょう。
全粒粉のパンに全部置き換えたら、次のステップとして、全粒粉パンを単体で食べるだけではなく、レタス・キャベツ・トマトなどの野菜類や、ささ身・胸肉などの低カロリーの肉類を挟んで、惣菜パンとして食べるのがおすすめです。
全粒粉にはミネラルやビタミンも含まれているとはいえ、全粒粉のパンのみでは1日に必要な量を補うことがむずかしいため、野菜や肉類と組み合わせると効率的にダイエット中に不足しがちな栄養を補給することができますよ。(※4)