別名「ターナー」とも呼ばれる調理器具の定番「フライ返し」。返すだけと侮るなかれ!その一手間に料理成功のカギがかかっているのです。素材もシリコンやステンレス、ナイロンなど色々な種類がある「フライ返し」。さらには100均やニトリ、OXOなどブランドもさまざまです。そこで、この中で一番使えるものは何なのか、実際に人気商品を料理のプロと一緒に比べてみました。
増田 乃律子/Test by LDK編集部
選ぶ前に知っておきたい!フライ返しとフライパンとの相性
フライ返しは、炒め物やホットケーキで必ず使うキッチンツール。でも実は、知らない間にフライパンへダメージを与えている可能性があります。
また、なんとなく選んでしまって「使いにくいけど…」と我慢しながら使うのはもったいない! 良いフライ返しなら、料理がもっと美味しく作れますよ。
今回はフライ返しの失敗しない選び方と、おすすめのフライ返しをランキング形式でご紹介します。
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[選ぶ前に]知らなきゃ損!実は大切なフライ返しの素材選び
まずフライ返しを選ぶ前にチェックしておきたいのが、自宅にあるフライパンや鍋の材質とフライ返しの素材です。
この表にあるとおり、フライパンの材質を選ばないフライ返しの素材は、柔らかく傷つきにくいシリコンか万能な木です。
ステンレスは鉄鍋や同じステンレスのフライパンなら問題ありませんが、他の素材は傷をつけてしまう可能性が高いので注意が必要。
100均等でよく使われているプラスチック(ナイロン)は、万能ではあるもののテフロンやホーローだと傷つく恐れがあります。
…それでは、万能な木製でいい! と急ぎそうですが、ちょっと待ってください。木は、食材を「ひっくり返す」よりも混ぜたり炒めたり、「色々なことに使える」のが得意なタイプ。
今回は「食材をひっくり返す」というテーマに注目しているため、混ぜたり炒めることを得意とする木のフライ返しはセレクトから除外することにしました。
自宅にあるフライパンや鍋に傷をつけない素材を選べば、どちらも長く使うことができますよ。
[選び方]フライ返しの条件は2つ返しやすさと毎日の扱いやすさ
だんだんと「本当に使えるフライ返し」がどんなものなのか、見えてきました。ではフライ返しの失敗しない選び方をご紹介しましょう。
ポイント①:安定して食材を返しやすいか?
フライ返したるもの、食材の返しやすさが重要。先端の形状や大きさ、そして厚みにより返しやすさに差が出てきます。先端部が小さかったり頼りないものだと、大きな食材をひっくり返しにくいんです。
例えば、お好み焼きやホットケーキなど大きなものを返すにはヘラにそれなりの大きさが必要です。また、ヘラと持ち手の角度が急すぎてもやりにくさが生じてしまうことも。
ポイント②:毎日ストレスなく使えるか?
写真/PIXTA
フライパンの上で使うときはもちろんのこと、お手入れのしやすさ、収納しやすさも見過ごせません。さらには耐熱性があるかなども選ぶ際のポイントになります。
[テスト方法]フライ返し10品を料理のプロ2名が徹底検証!
この「選び方」をもとに今回テストするポイントとして焦点を当てたのは、「返しやすさ」「お手入れ」「使い勝手」の3点です。これらを総合して100点満点で評価しました。
[テスト①返しやすさ:配点40点]
何と言っても「フライ返し」なのですから、返しにくければ良い商品とは言えません。丸いヘラより四角いヘラの方が返しやすいと言われていますが実際はどうなのでしょうか?
また、柔らかいものをひっくり返すときは程よい厚みもと大きさが必要です。大きいものでも持ち上げられるか、形が崩れないかがポイントになってきます。
[テスト②お手入れ:配点30点]
汚れが穴につまったり、こびりついたりしてしまうこともあるフライ返し。ほぼ毎日使うものなので、洗いやすさを含んだお手入れのしやすさは重要なポイントになってきます。
[テスト③使い勝手:配点30点]
「使い勝手」は重さや素材、そして耐熱性などを総合的にまとめた項目となります。返しやすくても傷つきやすかったり溶けてしまったりするものは、良いフライ返しとは言えません。
以上の3点を、プロの料理研究家である平尾由希氏とともにテストしてみました!
また、選び方のポイントにも含まれる「使い勝手(耐熱性)」「返しやすさ」をより科学的に検証しようと、専門テスト機関「LAB.360」でも補足テストを行っています。
[補足テスト①サーモカメラで耐熱検査]
まず注目したのはステンレスの「耐熱性」。「一体型のステンレス製フライ返しを鍋に置いたままにしたら、フライパンの熱で持ち手が熱くなるのでは?」というフードコーディネーターの平尾由希氏の意見を元に、ステンレス製品を耐熱検査しました。
実際に放置するとどうなるのでしょうか?
[補足テスト②測定器で厚みを計測]
もう一点テストしたのがフライ返しの「厚み」。返すときに一番最初に触れる先端の厚みも専用の測定器でチェックしてみることに。返しやすさと厚みは関係があるのでしょうか?
それではお待ちかね、これらの結果を踏まえて作成したランキングを発表します!