腿の裏側が硬くて、前屈が深められないと悩んでいませんか?ハムストリングスは、ただ伸ばすだけでは柔らかくなりません。筋膜にアプローチして、 効率よく簡単に柔軟性を高める方法を紹介します。
筋肉を伸ばすより筋膜をゆるめると柔軟性アップ
「腿裏の筋肉・ハムストリングスが硬いのは、筋肉自体の問題よりも筋肉を包む筋膜にあります」と、教えてくれたのは、筋膜ヨガを提唱する、医師の石井正則先生。
「筋膜とは大まかに言うと、筋肉の表面を覆う薄い網目状の膜のことです。筋膜が硬くなったり縮んだりすると、筋肉の動きに制限がかかり、筋肉をただ伸ばしても柔らかくなりません。大事なのは筋膜をゆるめて筋肉の動きをスムーズにすること。それを可能にするのが筋膜ヨガです」
筋膜ヨガのポイントは、ねじって、ゆっくり動くこと。今回は、ハムストリングスの柔軟性を高めるプログラムを教えていただきました。
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
レギンス¥10,780/ヨギー・サンクチュアリ(ヨギー 03-5725-1881)、その他/インストラクター私物
筋膜のイメージは…
「グレープフルーツの断面を想像してください。人間の体でいうと、表面の皮は真皮、白い部分は脂肪、果肉が筋肉でそれをひとつずつ包んでいるふさが筋膜です。筋膜が硬くなると、筋肉の動きにも影響が出てきます」(石井先生)
表面から真皮、脂肪、果肉が筋肉でひとつずつ包んでいるふさが筋膜
ハムストリングスの柔軟性に関係する部位
主なポイントとなるのは、足裏にある足底筋膜、恥骨、脊柱、後頭下筋、胸鎖乳突筋。これらはすべて筋膜でハムストリングスにつながっているため、どのポイントをゆるめてもOK。
ハムストリングスの柔軟性に関係する部位
筋膜ヨガの3つのポイント
①下腹部を引き上げる
網目状の筋膜は、ねじる動きでゆるみます。下腹部を引き上げると恥骨が安定して、ねじりを深めることができます。
②起点を決めて体をねじる
両手で布の端を持ってぞうきんをしぼるように、足裏、恥骨、胸鎖乳突筋、後頭下筋のうち2カ所の起点を決めて体をねじります。
③動きはゆっくりスローモーション
筋膜が柔らかくなるには、20秒以上の時間が必要。スローモーションのようゆっくり動くのがコツ。
イメージはぞうきんしぼり!
ぞうきんの両端を持ち、ゆっくりしぼって表面に水をためるイメージ。体もこの要領で、起点を決めてゆっくりねじると筋膜が水分で満たされ柔らかくなります。
イメージはぞうきんしぼり!
ハムストリングスへの効果を高めるプレワーク
ハムストリングスの硬さには、多くの筋肉&筋膜が関係しています。準備運動では、毎日の歩きグセなどで硬くなっている、足裏や足首を ほぐすことからスタートし、下半身の柔軟性を高めましょう。時間がないときは、1つのワークだけを行っても効果あり。
ワーク前に今の状態をチェック
立位前屈で手の位置が…
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三角のポーズで下の手の位置が…
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