日常生活の中で湧いてくる、ちょっとしたギモン。それを解決するのが「暮らしのギモン ちょいと解決しましょう課」です。中山真希調査員(以下、中山調査員)が今回調査するのは、「魚の切り身はどうやって選んだらいい?」というギモンについて。同じ魚なのに、色や形が全然違って迷った経験はありませんか?目利きの仕方と、おいしい食べ方を魚を扱うプロに取材しました。
見るべきは「皮の色」!背中側とおなか側を料理によって使い分ける
CBCテレビ:画像『チャント!』
今回、ギモン解決の糸口を教えてくれるのは、この道20年毎日魚の仕入れを行う、ジェイアール名古屋タカシマヤの「築地 中島水産」山口裕貴チーフです。魚の切り身の見分け方を、「皮の色」「身の形」「筋目」の入り方の3つのポイントに分けて、プロに聞いていきます!
まずは、「皮の色」の違いから。例えば、同じブリでも皮が黒いものと白いものがあります。さばく前のブリの姿を見るとよくわかりますが、お腹の皮は白く、背中の皮は黒です。
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(ジェイア―ル名古屋タカシマヤ 築地 中島水産・山口裕貴チーフ)
「(Q皮の色で味の違いは?)一番の違いは血合い。血合いの量が背中の方が多い。血なまぐささが苦手な方はおなか(白い皮)がおすすめ」
血合いからは旨味が出るので、味を引き立てたい「ブリ大根」や「照り焼き」には、皮の黒い方を、皮の白いお腹側は脂ノリが良いので、塩焼きがオススメだそう。ブリしゃぶにする場合は、白いお腹側を使うと、とろける食感が楽しめます。
ブリ以外のハマチやサワラなどの魚も、同じように皮の色で見分けられます。では、皮が処理されている刺身のサクなどの見分け方はどうでしょうか。
(ジェイア―ル名古屋タカシマヤ 築地 中島水産・山口裕貴チーフ)
「おなか側が若干白っぽい。背中側が青・銀っぽい」
もっと簡単に見分ける方法は、「形」。お腹側が三角っぽい形、背中側が四角や長方形になります。その理由は、お腹側は内臓を取るから。カルパッチョにするなら、お腹側、お刺身で食べるなら、色が青っぽく、形が長方形の背中側がオススメだそうです。
尻尾は食べ応え抜群!?切り身の形でわかる部位と特徴
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続いては、切り身の「形」の違い。鮭などは「弓型」と「半月型」のものがありますが、どんな違いがあるのでしょうか。売り場にあった切り身を、頭側を上にして順番に並べてもらいました。
弓型は頭に近い部位、半月型は尻尾の方です。弓型の窪みは内臓があったところなので、脂ノリがいいといえます。では尻尾側の半月型の切り身には、どんな特徴があるか尋ねました。
(ジェイア―ル名古屋タカシマヤ 築地 中島水産・山口裕貴チーフ)
「みなさん『尻尾?』と思われるんですが、どんなイメージがありますか?魚は尻尾を使って泳ぐので、尻尾の部分が一番筋肉質。尻尾(半月型)が、一番食べ応えがある」
ちなみに、サケの鮮度は血合いの色をみればわかるそう。
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(ジェイア―ル名古屋タカシマヤ 築地 中島水産・山口裕貴チーフ)
「(血合いは)鮮度が落ちてくるとすぐ色変わりする。茶色っぽくなってきます」
これはブリでも一緒なので、参考にしてみてください。ヒラメなど小型魚も、尻尾側と頭側の特徴はサケと同じ。比較的わかりやすい切り方になっていることが多いです。ムニエルや塩焼きには肉厚で身がしっかりしている頭側が、煮付けにするなら筋肉質な尻尾側がオススメ。しかし、中には食感に差がない魚もいます。タラは全体的に身が柔らかいので、どこを選んでも同じとのことでした。
超がつくほどおいしいレアな部位!プロしか知らないマグロの「天身」とは
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最後は、「筋目」の入り方。サケは、筋目の幅に差があったり、マグロは筋目の形に差があったりします。まずは筋目の幅は、広いものと細かいものにはどんな違いがあるのでしょうか。