腸の役割は消化・吸収・排泄機能だけでなく、幸せホルモンで知られるセロトニンや免疫細胞など、そのほとんどが腸に支配されていると言われるほど! この連載では、週末にお家で簡単に作れる「腸コンディショニング」レシピを紹介していきます。隔週金曜更新。
岡清華
「腸コンディショニング」レシピとは
心身の健康は、腸からはじまる。腸は第二の脳と言われているほど、心身の健康を担う最も重要な臓器です。腸の役割は消化・吸収・排泄機能だけでなく、幸せホルモンで知られるセロトニンや免疫細胞など、そのほとんどが腸に支配されていると言われています。腸内細菌のバランスが取れ、腸が活発に動き始めるとあらゆる不調が解消され、快適な心身を保つことができます。
そして、この「腸」を整えるには善玉菌をつくる発酵食品、善玉菌の餌となる水溶性食物繊維、オリゴ糖を積極的に摂取し、悪玉菌の餌となる 動物性蛋白質を少し控えめに意識することが重要なんです。「腸コンディショニング」レシピでは、これらのポイントを押さえた料理法を紹介してきましたが最終回の今回は、食事の”バランス”についてご紹介します。
”質”のバランスを意識した食生活に変えることで
老廃物がたまりにくい体質に
"バランス “といえば色々な定義がありますが、ここでお伝えしたいのは、”質”のバランスです。一食の食事を穀類/たんぱく質/重い野菜/軽い野菜 というように、おおよそ4分割して献立を考えます。これは消化、吸収、排泄がスムーズに行われる為に適切なバランスだと言われており、消化に負担をかけ過ぎる事なく、必要な栄養素で身体を構成し、不要なものは排泄物として排泄することができます。
食材イメージ/GettyImages
また、このようなバランスがとれておらず、何かに偏った質のバランスの食事は消化が最適に行われず、”未消化物”と言われる消化できなかった老廃物が身体の中に蓄積し、これが病気の原因となると言われています。 (感情の未消化物も、また病に繋がると言われています)。この4つのバランスを考えて、全てを消化することができ、必要なものを吸収し、不要なものを排泄できる身体のサイクルを導く食事を実践しましょう。
今回紹介するのは…消化吸収抜群な黄金バランス!
MY BOWL (バランスボウル)
MY BOWL (バランスボウル)の盛り方例
材料(1人前)
①穀類(米など)
②たんぱく質(出来れば豆、豆類/肉、魚、卵など)
③重い野菜(かぼちゃ、さつまいも、人参、かぶ、ビーツ、ズッキーニなど)
④軽い野菜(ほうれんそう、キャベツ、白菜、レタス、ブロッコリー、ケールなど)
※トッピング(ナッツ、パクチー、アボカドなど…)
バランスボウルの作り方
作り方は簡単、①~④それぞれをそれぞれの割合で自分の適切な量※に合わせて分割して盛り付けましょう。
黄金割合の図
自分の適切な量(ポーションサイズ)
調理のポイント
それぞれの調理方法のポイントは、”炒め煮”するように適度な水分と油分を含ませること。軽く加熱され、温かい食べものは消化のチカラを助けてくれます。
味付けのバランスは、1食に6味(ラサ)全てを含んでいるものが満足感を得られやすいと言われています。
なるべく調理したて、出来立てのものを食べるようにしましょう。
腸内環境を整える為には、摂取する栄養素や腸内細菌のことを考えるだけでなく、このように質を考え、消化の力を高めることも大切なポイントとなります。また、それぞれ4つの質の適切なバランス、量、味付けなどは、季節や年齢、体質によって微妙に変動します。
腸内環境というキーワードで10回の連載をさせていただいて参りましたが、次回以降は、これまでにも何度もキーワードとして出てきた「アーユルヴェーダ」のレシピとミニコラムを連載させていただきます。前述した季節や体質による適切な量や質にも触れながら、"あなただけの”食事を考えるきっかけとなるような情報を発信していきたいと思います。お楽しみに!
教えてくれたのは…岡清華さん
1993年生まれ、兵庫県出身。ファッション誌のモデルとして活動しながら、大学在学中に管理栄養士資格を取得。その後、カウアイ島にてアーユルヴェーダを学ぶ中で、全米ヨガアライアンスを取得、ハワイにてSUPYOGA資格を取得。Vegan,Organic,Ayurvedaをコンセプトに、飲食店や個人でのケータリングサービスにて料理提供を経験した後、会員制ヨガスタジオで、ヨガクラス・栄養指導を行ない「腸」に特化したフード開発、レシピ監修、イベントなどの企画、運営を行なった。独立後、ヨガを含む “アーユルヴェーダ” の観点から「一人一人が最も輝くベストな心身を知り、持続させること」をコンセプトにしたスタジオSUPER8studioの運営、その他イベントやアーユルヴェーダに付随する各事業を進めている。Instagram:okasaya