今回は、最近スーパーで見かけることが多くなったズッキーニの栄養成分や効能についてを管理栄養士がご説明します。あわせて、栄養素を効率よく摂るためのおすすめの食べ方やレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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知っておきたい「ズッキーニ」の基礎知識
きゅうりではなくかぼちゃの仲間
ズッキーニはきゅうりに似ていますが、実はかぼちゃの仲間。「ペポかぼちゃ」に分類されています。1980年代頃から日本でも広まり始め、出荷量・消費量ともに増加傾向にある野菜です。
全体の太さが均一で表面につやがあり、切り口は水々しく新鮮なものを選ぶといいでしょう。大きくなりすぎると、味が落ちるとも言われています。(※1)
ズッキーニの旬
3〜9月が旬ですが、施設栽培や露地栽培のため通年で流通しています。日本国内で生産が多いのは宮崎県と長野県で、この2県だけで全体の約60%を占めています。それに次ぐ3位は、千葉県です。(※1)
ズッキーニに含まれる栄養成分
とくに多いと言える栄養成分はありませんが、積極的に摂りたい栄養素であるβ-カロテン、食物繊維、ビタミンC、カルシウム、葉酸、ビタミンKが含まれています。各々の栄養素について特徴や働きなどを詳しくみていきましょう。(※2)
ズッキーニの栄養素の働き
β-カロテン
ズッキーニ100gあたり、310μgのβ-カロテンが含まれています。私たちの体内でビタミンAに変わるカロテノイドのカロテン類の一種で、活性酸素の発生を抑えたり、取り除く働きがあると言われています。(※2,3)
食物繊維
ズッキーニ100gあたり、1.3gの食物繊維が含まれています。体内の消化酵素で消化することができない物質で、腸を整える働きなど身体のなかで有用な働きをすることが注目されており、第6の栄養素と言われることもあります。
食物繊維には水溶性と不溶性があり、ズッキーニは不溶性の方が多いです。不溶性食物繊維の働きは、消化・吸収されることなく大腸まで行き届き、便の体積を増加させて排泄すると言われています。(※2,4)
ビタミンC
ズッキーニ100gあたり、20mgのビタミンCが含まれています。水溶性の栄養素で別名アスコルビン酸。傷の治癒に必要なタンパク質であるコラーゲンの生成を促したり、酸化防止作用があると言われています。(※2,5)
カルシウム
ズッキーニ100gあたり、24mgのカルシウムが含まれています。骨や歯を形成するのに必要なミネラルの一種です。
カルシウムはビタミンDの摂取量や運動によっても吸収率や利用効率が異なるので、吸収効率を上げるためには、カルシウムと同時にビタミンDを摂ることと、運動をして骨に適度な刺激を与えることが大切です。(※2,6)
葉酸
ズッキーニ100gあたり、36μgの葉酸が含まれています。水溶性ビタミンの一種で、酸素を運ぶ赤血球を成熟させる働きがあります。
葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血になる可能性があるので、積極的に摂りたい栄養素です。特に妊娠を計画していたり、妊娠の可能性がある女性や妊婦さんは1日あたり+200μg(付加量)の葉酸を摂るといいでしょう。(※2,5,7)
ビタミンK
ズッキーニ100gあたり、35μgのビタミンKが含まれています。脂溶性の栄養素なので水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質があります。血液凝固を促したり、骨の形成に関与すると言われています。(※2,8)
ズッキーニのカロリーと糖質
ズッキーニのカロリーは100gあたり、14kcal、糖質は1.5gです。
ズッキーニに似ているきゅうりや同じ夏野菜のなす、分類が同じかぼちゃと比較してみました。
きゅうり:カロリーは14kcal、糖質は1.9g
なす:カロリーは22kcal、糖質は2.9g
日本かぼちゃ:カロリーは49kcal、糖質は8.1g
※すべての野菜100gあたりの値。(※2,9,10,11)
上記を見てわかるように、一番値が近しいのはきゅうりですね。なすと日本かぼちゃはズッキーニよりも糖質が高くてカロリーが高い食材です。