ボディケア法として話題の「筋膜リリース」。ヨガに活かせる簡単な方法を、峯岸先生に教えていただきました。指先・足先を少し動かすだけで、柔軟性が劇的に変わります!今回は、左右開脚をラクにする筋膜リリースをご紹介。
ヨガジャーナル日本版編集部
左右開脚のための筋膜リリース:深前線と後機能線をゆるめよう
深前線(Deep Front Line)とは
深前線は足から頭蓋までをつなぐ筋膜のつながりで、体の中心・深層部を通っています。下半身では、足、膝裏、内腿の筋膜をつないでいるので、左右開脚で鍵となる内転筋の柔軟性を左右します。
Illustration by Misako Nakagawa
深前線のゆるめ方
1.末端刺激で内転筋群をゆるませる
深前線の末端にある後脛骨筋にアプローチして、深前線全体をゆるめます。深前線は、大内転筋も通っているので、後脛骨筋を動かすと、内転筋群に触れずに、内腿を柔軟にすることができます。後脛骨筋は、すねの骨の間から土踏まずの内側に付着する筋肉。場所さえ覚えてしまえば、いつでも簡単に押してゆるめることができます。
HOW TO
1.内くるぶしから指8本分上の位置で、すねの骨の内側のへこんでいるところ(●印のあたり)を探す。ここが後脛骨筋の起始部。
※骨への付着部のうち、体の中心に近いほうが起始部、遠いほうが停止部。
●印のあたりが後脛骨筋の起始部
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
2.手で1の内くるぶしの部分、左手で土踏まずの内側をそれぞれ押して、1分半もみほぐす。反対側も同様に行う。
POINT:土踏まずの内側の指が入る場所を押す。ここが後脛骨筋の停止部。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
後機能線(Back Functional Line)とは
機能線は、体の前面を通る前機能線と背面を通る後機能線、体側を通る同側機能線の3つがあります。ここでは腕の付け根から背中・お尻・太腿の外側、膝をつなぐ後機能線にアプローチします。
後機能線のゆるめ方
1.腿の外側刺激で膝の動きを柔軟に
左右開脚で膝が浮いてしまうのを防ぐには、後機能線をリリースして膝の伸びを良くします。脚を交差させて膝を抱えるこのポジションは、ヨガなら骨盤を真っすぐ立てるところですが、後機能線のリリースでは、腕の付け根・背中・対角の骨盤・太腿の外側が伸びるようにしたいので、骨盤は後傾させておきましょう。
POINT:左坐骨が浮くと太腿の外側が伸びないので、鼠蹊部を押さえて。
左脚を右脚にかぶせ、膝を抱える。左の鼠蹊部を親指で床へ押す。呼吸しながら1分半キープ。反対側も。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)