桃のようにやわらかくてなめらかな食感の果物「イチジク」 その旬は秋のイメージが強いという人も多いですが、実は年に2回の旬があるんです。今回は意外な秘密を持ったフルーツ「イチジク」の旬の季節とおいしい食べ方、おすすめのレシピを5つご紹介します。
ちあき
イチジクの旬の時期はいつ?
夏のイチジク
夏のイチジクの旬は6月から7月頃。前の年に伸びた枝の先の花芽が膨らみ、収穫できるようになります。
主な品種は、実の大きな「ビオレ・ドーフィン」や「ザ・キング」。どれも品質が良く、着果が多いので秋に収穫される「桝井ドーフィン」を育てている間に収穫している農家もあります。夏のイチジクの特徴は、何よりも実が大きいこと。「ザ・キング」は大きいものでは200gにもなるそう。
秋のイチジク
秋のイチジクは8月から10月頃までが旬として収穫されます。
主な品種としては、高級な日本イチジクの「蓬莱柿(ほうらいし)」などが有名です。蓬莱柿は非常においしいですが、日持ちしないので現在では流通しているイチジクの8割を占める「桝井ドーフィン」に取って代わる存在になっています。
なぜイチジクには旬が2回ある?
イチジクに2回旬があるわけは、「イチジクの木」にあります。イチジクには夏に実をつける「夏果専用種」と、秋に実をつける「秋果専用種」があるため、旬が2回あるのです。
ただ、梅雨の時期に実がなる夏果専用種はどうしても腐りやすいため、流通量も少なくなり最近では秋果専用種のほうが多く作られています。そのため、一般的にはイチジク=秋の果物というイメージが定着しているわけです。
ちなみに、秋果専用種は夏果専用種より実が小さいなどの特徴がありますが、その分甘みがぎゅっと凝縮されていますよ。
旬のイチジクの特徴
赤紫色に変化する
緑がかったものより赤紫に色づいているものが甘みが多く、食べごろとされています。ちなみに、緑がかったイチジクは青臭さが残っているため、料理によっては活用できますが、生食には向いていません。
香り・甘みが強い
旬のイチジクは香りが豊かで甘味が非常に強いのが特徴です。つぶつぶとした独特の食感もイチジクの魅力のひとつですよね。皮を剥いてそのまま食べるときだけでなく、ジャムにしたり、ケーキやパンなどに使っても楽しめる食感です。
なお、未熟なイチジクは胃を痛めることがあるので要注意です。もし買ってきたイチジクが未熟だった場合は、ジャムなどにするのがおすすめですよ。メロンなどの果物と違い、収穫後に追熟はしないので注意してくださいね。
自宅で保存していても熟していくことはなく、乾燥して甘味も落ちていく一方なので、できるだけ熟したものを買い、早めに食べましょう。
食べごろなイチジクの見分け方
丸みがあり付け根まで色がついているもの
ぽってりと丸みがあり、付け根の切り口付近まで色が付いているものを選ぶのがポイントです。傷や傷みがなく、表面の皮に張りがあってしぼんでいないものを選びましょう。
甘い香りがするもの
においを嗅いでみて、甘い香りがするものは中の実も甘いのでおすすめです。イチジクは切ると白い樹液を出します。枝から切られた部分を見て、この樹液が付いていれば新鮮な証拠です。実だけでなく切り口も見て、新鮮かどうかを確認してくださいね。
皮がやわらかく熟しているもの
さらに、熟しているイチジクは、皮を剥くときに実がとれ、皮だけするりと剥けるのも特徴のひとつ。触ったときにやわらかいものが熟したイチジクですが、売り物の硬さをチェックする際は商品を傷つけないように気を付けてくださいね。
旬のイチジクを使ったおいしいレシピ5選
1.オーブン要らず イチジクのフレッシュタルト
タルト生地にビスケットを使えば、オーブンなしで生地を作ることができますよ。お好みのビスケットで試してみてくださいね。タルト型を持っていない人は、深めのお皿でもOKです。カスタードクリームをレンジで加熱したら、ダマにならないようによく混ぜるのがコツです。