毎日の眠りに満足していますか? 寝付きが悪い、何度も目覚めてしまう、疲れが取れないなど、睡眠の悩みを抱える人は少なくないはず。今回はそんな不調を改善し、安眠へと導く方法を特集。一日の疲れをしっかりリセットして、エネルギーに満ちた朝を迎えましょう。ヨガインストラクターでハーバルセラピストとしても活躍する牧野里砂先生に教わりました。
ヨガジャーナル日本版編集部
ヨガの深い呼吸で生体リズムを整える
ぐっすり眠れた日の翌朝は、体も心もエネルギーが満たされて、自然と元気が湧いてくるもの。睡眠は一日の疲れをリセットし、新たな活力を生み出すのに欠かせない大切な時間だ。
しかし現在、日本人の4〜5人にひとりは睡眠に関して悩んでいるといわれる。なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めるというだけでなく、睡眠はたっぷり取ったはずなのに、翌日にだるさや眠気が残っているなど、何らかの睡眠トラブルを抱えている人は多い。そもそも、不眠の大きな原因となっているのはストレス。ストレスからくる緊張は覚醒神経系を興奮させ、自律神経系のバランスを乱し不眠や入眠の妨げを引き起こす。また、睡眠サイクルをコントロールする神経ホルモン・メラトニンの分泌にも影響を及ぼすため、自律神経系や内分泌系(ホルモン系)、さらには免疫系のバランスの乱れにもつながっていく。
これらのバランスを正しく調整するために、リラクセーション効果の高いヨガのポーズと、ハーブ・アロマを使ったリラックスを高めるセルフケアは有効だ。
「ヨガの深い呼吸は自律神経系を調整していくので、不眠改善に大変有効です。深い呼吸でアーサナを行うことで心身のコリをほぐし、血行を良くして生体リズムを整えながら、体と脳の疲労を回復していきます」とヨガインストラクター兼ハーバルセラピストの牧野里砂先生。
「寝る前にリラックスできるように環境を整えることも大切ですね。一日の疲れやストレスを次の日に持ち越さないように、その日のうちに消化したいものです。安眠を導くアロマやハーブは、天然の香りや有効成分が私たちを癒してくれるのでおすすめです。私の提案する安眠メソッドは、五感すべてで快い感覚を味わう至福のレシピ。私はこれを“ご自愛メソッド”と呼んでいます。気持ちよく眠るための環境を整え、一日頑張った自分のために時間と愛情を注いであげれば、翌朝本当にすっきりした気持ちで一日を始められますよ」
いきいきとした毎日は、よい眠りから。就寝前の時間を、ほんの少し意識して過ごしてみてはいかがだろう。
1.サーランバ・バラーサナ(支えのある子どものポーズ)
緊張した心身を緩め、安らぎを与えてくれるポーズ。心身の調和とともに、体力を回復させながら深いリラクセーションへ導く。
HOW TO
(Photo by KENTARO MORI)
膝を開いた正座で座り、枕やブランケットを股の間にはさんでその上に上体をあずける。頬を枕に当てながら、3分程度ゆっくりと呼吸を整える。
POINT
支えには、体が沈み込みすぎないような少し弾力のある枕やブランケットを使うといい。頭が少し高く、体は床と平行になるくらいの位置で支えられる高さがあると理想的。
2. シャシャンカーサナ(ウサギのポーズ)
目・首・肩の一日の疲れを癒し、心身を鎮めるポーズ。内側への意識を高め、心地よさを味わいながら、深いリラクセーション・安眠へと導く。
HOW TO
(Photo by KENTARO MORI)
POINT
首に体重がかかるので、不安定な寝具の上で行わないように。首を痛めている人、頭痛やめまいがする場合はポーズは控える。
3. スプタ・バッタ・コナーサナ(背をもたせる合せきのポーズ)
背もたれに体をあずけ、肩・胸をゆったりと開き、深い呼吸で心身を穏やかに緩めるポーズ。股関節の緊張をほどき、骨盤の血流を促す。
HOW TO
(Photo by KENTARO MORI)
大きめの枕や、たたんで厚みのあるブランケットに背や頭をもたせ、仰向けになる。肩の力を抜き、軽くあごを引く。両足の裏を合わせ、膝を左右に開く。かかとの位置は、心地よいところを探して1~3分間キープ。
POINT
十分に大きなブランケットなどを背もたれに使うときは、仙骨のあたりにブランケットの端を当ててポーズをとる。
4.ナディ・ショーダナ(交互の鼻呼吸)
エネルギーの通り道を浄化しながら集中力を高め、一日の感情や精神の消化とともに、心身のバランスを整える。