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生理痛のトラブルを緩和する呼吸法や過ごし方とは?[女性のためのヨガ知識]

月経は妊娠出産の準備だけでなく、女性が自分の体調を知り、よりよく身体作りをしていくためにとても大切な期間です。重い生理痛がある場合は、次の生理が少しずつ快適なものになるように月経前や月経中の過ごし方を見直していきましょう。

仁平美香

生理による不調を感じる時は、呼吸を深めて内臓をマッサージ

子宮の内膜が剥がれ落ち、それを子宮の外に押し出そうと子宮が収縮するため、生理痛は起こります。ホルモンの働きで子宮内膜は作られるので、ホルモンの状態により、子宮内膜の厚さには個人差があり、内膜が厚ければそれを排出する際に力が必要なので、痛みが強くなります。剥がれた内膜が経血となりますので、内膜が厚いほうが経血量も増えます。

痛みが強い場合は、冷えやホルモンバランスの乱れの他、骨盤の後傾しすぎや前傾しすぎなど普段の姿勢によって子宮や卵巣など下腹部の臓器が圧迫され血流が悪くなっている可能性もあります。子宮も心臓などと同じく平滑筋という筋肉で形作られています。血流が悪くなれば子宮を形作っている筋肉も固くなり、経血が剥がれ落ちる際、余計に強い収縮が必要になってしまいます。骨盤の中は腸や子宮、卵巣、膀胱などたくさん臓器があり、お互いに支え合っています。

美しい姿勢を心がけて、呼吸を深め、内臓のやわらかさも保っておきたいですね。日常の呼吸を深めるためには、まず骨盤の後傾のしすぎ、前傾のしすぎでなどが起こらないように呼吸しやすい姿勢をこころがけること、そしてそれでも呼吸が浅い場合は、息を吐いたあと、数秒で構わないので少しだけ息をとめて吸いたくなったら吸ってみましょう。少しずつ呼吸が深まっていきます。

生理痛が重いときは前の月の過ごし方を見直してみよう

月経痛が重いときは、1ヶ月の過ごし方を見直してみましょう。甘いものや加工品などを多くとっていたりしていないか、また体のためにとりいれたい新鮮な生野菜やフルーツなども、他の料理と組み合わせずに単体を食事がわりにしてしまうと身体を冷やす食事になってしまいます。冷え改善のためには服装だけでなく、食材や調理法などを見直していきましょう。

メモ程度で構わないので1ヶ月程、食事日記をつけるだけでも、とりすぎているもの、逆に足りていないものがみえてきます。また、冷えが原因となっている方の中には食事や服装だけでなく運動不足の方もいます。筋肉量が足りず、運動による血流の改善も見込めないため、更に冷えやすくなりますので、月経以外の時期に汗ばむ程度まで身体を動かすようにしましょう。また、普段よりもかなり経血が多くなったり、月経痛が重くなって改善しないときは、内膜症や筋腫など疾患が隠れていることも。早めに婦人科を受診してみましょう。

月経中にヨガを行っていいの?

月経中は生理痛がある方はもちろん、そうでない方も普段よりも体力はもちろん、ストレスに対する抵抗力も下がり気力も低下します。できるだけ自分にやさしくゆっくり過ごすようにしましょう。経血が多い日については自分を労わる日と決めて、練習はお休みし、できるだけゆったり過ごすのがベスト。月経中に無理をすると、貧血になってしまったり、次の月経が重くなってしまうことも。免疫力も下がっている時期なので風邪をひきやすくなったり、いつまでも疲れが抜けないという症状もあらわれてきます。

月経痛は血流の悪さからくる場合も多いので、月経中については疲れない程度に腰周りを中心に身体をゆるめてあげましょう。例えば、膝を立てた仰向けの状態で腰をマットにこすりつけるように左右にゆれたり、膝を手でもって円を描くようにまわして股関節まわりをゆるめる、足首を回すなど簡単なワークやセルフマッサージなどをしてあたたかくして過ごしましょう。

経血が少なくなってきた月経の終盤は軽い練習を少しずつはじめてよいと思いますが、腰を高くあげる逆転するポーズや強いねじりを行うポーズなどは経血が減ってきても月経中はお休みしましょう。月経期間以外の時期にしっかり運動したり、身体作りをしておき、月経がスタートしたらいつもより自分にやさしく、女性に与えられた休息期間を楽しんでください。

教えてくれたのは…仁平美香さん
月経血コントロールヨガ、産後ママのためのメンテナンスヨガ、体軸ヨガ講師養成スクールティーチャー、セラピスト、栄養士。一般社団法人日本ホリスティックヘルスケア協会理事。女性のためのヨガ協会代表。女性のためのイベントYOGAWOMANにて講師を担当する他、企画運営にも携わる。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等著書多数。雑誌・WEB等コラム監修も行う。

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