ヨガで姿勢が不安定になりやすいのは、体の深層部にあるインナーマッスルが弱いサイン。“骨”を意識しながらゆっくり行うヨガで集中的に鍛えれば、ポーズが快適に決まる体に!
ヨガジャーナル日本版編集部
インナーマッスルの強さがポーズの安定感を決める
筋肉の中で、皮膚に近い表層部にあるのがアウターマッスル。骨に近い深層部にあるのがインナーマッスルです。
「アウターには、速筋と呼ばれる瞬発的に大きな力を発揮する性質をもった筋肉が多く、インナーには、遅筋と呼ばれる大きな力は出せないものの、長時間使っても疲れづらい筋肉が多く存在します。つまり、ヨガの姿勢維持やポーズのキープはインナーマッスルの役割。でも、インナーは意識するのが難しく、十分に使えていない方が多いですね」と鈴木伸枝先生。
インナーが使えないと代わりにアウターを使って、無理やりポーズをキープしようとすることに。「でも、長時間のキープはアウターの役割ではないので、余計な力みが生じてアライメントが崩れたり、体に負担をかけることになります。やはり、ヨガにはインナーマッスルの強さが必要です」
そこで行いたいのが、骨を意識しながら、ゆっくり行うヨガ。インナーが効果的に鍛えられ、ポーズが快適に安定するように!
あなたのインナーマッスルの強さをチェック!
10秒かけて、上体を上げて戻す
仰向けで軽く膝を立て、両手を頭の後ろに。10秒かけて上体を起こし、10秒かけて戻せない場合は、インナーが弱い証拠。
Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
ヨガでインナーマッスルを鍛える3つのコツ
1.骨を意識する
筋肉には、意識を向けるとしっかり働く性質があります。インナーマッスルは骨の近くにあるため、骨を意識することで上手に意識できます。
2.運動強度を下げる
力を使う高い強度の運動では、アウターが働きます。インナーが働くには運動強度を下げる=ハードに動かず、長くキープするヨガが効果的。
3.ゆっくり動く
反動をつけずにゆっくり動くときもインナーが働きます。時間をかけてポーズし、鍛えて。反動をつけないとポーズがより安定し、けがを防止。
鍛える動き方を覚えるプレワーク
ヨガでインナーマッスルを鍛えるコツは左の3つ。まずはプレワークで、骨を意識した動き方を覚えましょう。
1.脚を回転する
長座で右膝を曲げ、脚を数回転。次に股関節に意識を向け、そこを支点にするイメージで、脚を付け根から回転させる。前者に比べ、インナーマッスルが使われることで脚が軽く感じられるのを実感できるはず。反対側も行う。
股関節を意識/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
2.骨盤~背骨を左右に動かす
骨盤~背骨を意識して、左右に動かします。骨盤を揺らす動きに連動させて、背骨を骨盤側から首に向かって少しずつ動かしていって。
1.足裏を合わせて座り、両手で足先をつかむ。坐骨を立て、背中の力を抜く。
骨盤と背骨を意識/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
前から見ると…
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2.骨盤を右に傾けるイメージでお尻の左側を上げ、背骨を骨盤側から首に向かって順番に、ブラ~ンとしなるように右に傾ける。反対側も行う。
力を抜く/Photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
NG:背中が力むと、背骨を動かしにくくなる。
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