硬い体は、柔軟性ではなく「筋力低下」にも要因が…!そもそも筋肉は、ある方向に体を動かす「主動筋」と、ペアになって働く「拮抗筋」が対をなしています。そして、主動筋が縮むと拮抗筋がゆるむ…という体の仕組みを応用し、2つの筋肉をバランスよく鍛えることで、体は劇的に柔らかくなるのです。今回のテーマ「前屈」でキーとなるのが後ろ面の柔らかさ。股関節を屈曲するためには、大臀筋と腿裏のハムストリングの柔軟性が重要。それらの拮抗筋である腸腰筋&大腿四頭筋を鍛えるメソッドをご紹介します。
STEP1.体幹の「腸腰筋」を強化して「お尻の筋肉」をリリース
手で押して負荷をかけながら脚を持ち上げることで、股関節屈曲を担う腸腰筋を使います。すると拮抗筋の大臀筋がゆるみ、伸びやすくなります。
①腸腰筋②大臀筋
illustration by Misako Nakagawa
やり方
1.椅子に座り、両足は腰幅程度に開く。両手を片方の腿の上におく。なるべく背筋を伸ばし、胸を開く。
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
2.両手で太腿を下に向かって強く押しながら、それに抵抗するように両手で押さえた片脚を力いっぱい持ち上げ、5呼吸キープ。反対側も同様に。
手で押し、押さえた片脚を力いっぱい上げる
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
背中が丸まるのはNG
呼吸がしづらくなってしまう。
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
STEP2.「大腿四頭筋」を強化&「ハムストリング」をゆるめる
ストラップを引っ張るように脚を伸ばして、太腿前面の大腿四頭筋を刺激。硬いハムストリングが柔らかくなり、前に深く倒れられるように。
①ハムストリング②大腿四頭筋
illustration by Misako Nakagawa
やり方
1.椅子に深く腰掛け、ストラップを輪にして椅子の片脚と同じ側の足首とをつなぐ。手はお尻の横に添え、座面をつかむ。
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
2.ストラップを力いっぱい引っ張るイメージで、ゆっくりと脚を前方に伸ばして5呼吸。足首はフレックスにすると力が入りやすい。反対側も同様に。<5呼吸キープ>
力いっぱい伸ばす
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
STEP3.「腸腰筋・大腿四頭筋」をバランスよく鍛えて背面を柔軟に
立った状態で重力に逆らいながら片脚をゆっくり持ち上げると、腸腰筋&大腿四頭筋をバランスよく刺激。お尻と腿裏が同時にゆるみます。
やり方
1.壁に背を向け、両脚を揃えて立つ。壁にかかと、お尻、背中をぴったりとつける。両手は腰に添える。
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
2.片脚をゆっくり持ち上げ、膝を伸ばしてかかとを前方に押し出し、5呼吸キープ。コントロールしながらゆっくり下ろし、反対側も同様に。
脚が上がる高さでキープ
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)