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第3回|生理痛があるのは当たり前じゃない!生理トラブルタイプ別の処方箋

吐き気やめまいがする、腰や下腹部が痛い、頭が痛くなる。症状の重さはさまざまですが、月に一度の生理が憂うつな人もいるのではないでしょうか。中医学では生理痛はないのが良い状態だとされます。何か不調が起きる人は日常でできる養生を。

イラスト/macco、Sumii

2017年11月
ライフスタイル

中医学では生理痛はないのが普通

 生理痛は誰にでもあると考えている方も多いですが、中医学では「生理痛はない」のが良い状態とされています。下腹部の重さや腰のだるさはあっても、鎮痛剤が必要なほどの痛みには何らかの問題があると考えます。中医学が考える生理痛の主な原因は、冷え、ストレス、ドロドロ血(瘀血)、そしてエネルギーや栄養不足(血虚)などがあります。これらの原因が複数絡み合うケースもあります。
 女性は一生の内におよそ350~450回の生理があります。月に1度のこの現象は、健やかに明るく過ごせる期間であるべきで、本来の生理の姿とは決して辛くて面倒で厄介な痛みを伴うものではありません。

生理の仕組みをおさらい

 生理は子宮からの出血です。この出血は子宮内膜という細胞が剥がれ落ちることで起こります。子宮内膜は受精卵のお布団の役割で、受精卵が来そうな時期に、一番気持ちよくふかふかになるように、細かい血管を張り巡らせた膜をたっぷり敷き詰めます。
 受精卵が来なかったらそのお布団は古くなるので、体の外に捨てるわけです。古いお布団は細かい血管がたくさん張り巡らされているので、体の外に出てきたときに血液を含んでいます。これが生理(月経)です。

①左右にある卵巣のどちらか一方で、約1か月に1個、卵子が成長します。同時に、受精卵を迎えるために子宮内膜がふくらみはじめます。

②成長した卵子が卵巣を飛び出し(排卵)、卵管の中で精子を待ちます。この時卵子と精子が合体すると受精卵ができます。子宮内膜は、受精卵のお布団の役割を果たすためにふわふわに厚くなります。また、赤ちゃんを育てるために必要な血液を蓄えます。

③受精卵が子宮に着床したら妊娠が成立しますが、妊娠しなかったら子宮内膜は必要なくなるため、剥がれ落ちて卵子や血液(経血)といっしょに体外へ出されます。これが生理です。

健康な生理ってどんなふう?

●生理周期 25~35日で大幅に乱れない
●出血期間 3~7日間 (出血が止まるまでの日数)
 ・出血は1~3日目がピーク
 ・出血量が多すぎ:日中でも夜用ナプキン or タンポンを併用しないと不安
 ・出血量が少なすぎ:ナプキン交換が1日1〜2回で済む
●出血の色 きれいな赤色 (出血量が多い日の色)
●出血の質 サラサラでレバー状や内膜様の塊が混じらない
●生理痛  ない or 下腹がやや重い程度
●生理前後 特に症状はない (PMSもないのが普通です)

 生理痛は、先天的に子宮の形が問題になっている場合を除いては、血の巡りが悪い、冷えている、ストレスで気血のめぐりが停滞している、エネルギーや栄養が足りないなど、何らかの理由が存在します。タイプ別に養生や漢方を服用することで、生理痛の悩みが解決する方も多くいます。まず、自分のトラブルタイプをチェックしましょう。

生理のトラブルタイプをチェック!

当てはまる項目が多いタイプがあなたのタイプです。複数のタイプになることもあります。

[冷えタイプ]

□ 寒がり
□ むくみやすい
□ 夏でも寒がる
□ 寒い日やクーラーに当たると体調不良になる
□ トイレが近い
□ おりものの量が多く透明
□ 冷たい飲み物や食べ物が苦手
□ 軟便や下痢

[ストレスタイプ]

□ 不安や憂うつ感がある
□ お腹が張りやすい
□ よくため息をつく
□ ゲップがよく出る
□ イライラして怒りっぽい
□ PMSがつらい
□ 下痢と便秘を繰り返す

[瘀血タイプ]

□ 動悸や不整脈がある
□ 体が冷えたりのぼせたりする
□ クマやシミができやすい
□ 頭痛、肩こり、生理痛などがとてもつらい
□ 皮膚がザラザラしている
□ 唇や舌が紫っぽく暗い色をしている
□ 痔がある
□ 子宮内膜症や筋腫がある

[血の不足タイプ]

□ 冷え性
□ 乾燥肌
□ 眠りが浅い
□ 髪の毛の艶がない、もしくは枝毛になりやすい
□ 貧血あり
□ 貧血はないが月経前後でめまいやふらつきあり
□ 月経周期が乱れやすい
□ 便秘気味
□ 爪が薄くて割れやすい
□ 血圧が低い
□ 気持ちが不安定になりやすい

タイプ別の特徴と養生法

[冷えタイプ]

寒いときに外に出ると体を縮こめたくなりますよね。冷えは組織をぎゅっと収縮させる作用があるので、冷えてしまうと全身の血流が悪くなります。子宮周辺の血流も悪くなるので、けいれんのような症状を伴って下腹部が痛みます。

痛みの特徴
・冷えると悪化
・絞られるような痛みまたは冷えを伴う持続性の弱い痛み
・下腹部を温めると和らぐ

生理の状態
・初日から痛む
・経血が黒ずんでいて塊が混じる
・経血が薄い赤色で弱い痛みが持続する

*生活習慣で改善

ファッション重視で体を冷やす服装をせず、冷たい飲みもの、食べもの、生ものを控えてください。生理時は特に冷えに注意。シャワーより湯船に浸かりましょう。

*食生活で改善

ショウガ、ネギ、タマネギ、ニンニク、鮭、羊肉、牛肉、鶏肉、リンゴ、ごま、シナモン、こしょうなどを積極的に。

[ストレスタイプ]

体のエネルギーである「気」は、体内を滞りなく巡っているのが正常な状態です。気の流れが悪くなると体のあちこちで突っ張るような痛みが起こります。お腹が張る、こめかみが張るように痛む、生理前に胸が張って痛いなども気の巡りの低下によるものです。ストレスで悪化するのもこのタイプの生理痛の特徴です。

痛みの特徴
・生理前は胸やわき腹が張って痛む
・痛む場所や痛みの程度が変化しやすい
・腹部にガスが溜まって膨れ、張るように痛む

生理の状態
・生理前からお腹が張り、痛みが始まる
・生理が始まると痛みが楽になる
・経血はやや黒っぽい

*生活習慣で改善

忙しくても心のゆとりをとる時間を。散歩して、深呼吸して、楽しい時間を過ごすようにしましょう。

気の巡りの一番基礎になるのは呼吸による空“気”の流れを作ることなので、気付いたら深呼吸するようにしましょう。「気が詰まる」という言葉もあるように、圧迫された空間や環境に長時間いると気の巡りを悪化させるので、動くこと、場所を変えること、雰囲気を変えることを意識してみてください。風や水、草木や花などに直接触れながら散歩をするのもおすすめです。

*食生活で改善

春菊、三つ葉、ミョウガなどの香草、オレンジ、ミカンなどのかんきつ類、ミント、バラ、ラベンダーなどのハーブも活用しましょう。

[瘀血(ドロドロ血)タイプ]

子宮内膜を作る血がドロドロになっていると、不要になった内膜がスムーズに排出されません。ドロドロ血の停滞は絞るような痛みを伴います。悪化すると刺痛(しつう)といって、刺されたような痛みを伴うようになります。このタイプは生理で塊(かたまり)が出るとすっと楽になるという特徴もあります。

痛みの特徴
・刺すような、あるいは絞られるような痛みがある
・痛む部位が決まっていて、はっきりとわかる
・血塊が出た後は楽になる

生理の状態
・経血がどす黒く、レバー状の塊が多く混じる
・生理が始まる2~3日前から痛みが始まる
・生理が始まって2日間が痛みのピーク

*生活習慣で改善

適度な運動とバランスの取れた食事を心がけ、1時間以上座りっぱなしにならないようにして、気付いたら肩回しをしてください。

*食生活で改善

ニンニク、タマネギ、ラッキョウ、さんまなどの青魚、イカ、黒きくらげ、シナモン、さくらんぼ、ショウガ、黒豆などを摂りましょう。

[血の不足タイプ]

体内を巡るエネルギーの「気」や、栄養を運ぶ「血」が不足することで、子宮や卵巣に栄養やエネルギーが届かず、女性ホルモンの力も弱くなり、生理周期の乱れや経血の不足などが見られるようになります。その結果、生理中に体がだるくなったり、疲れやすくなったり、鈍い痛みを感じやすくなります。

痛みの特徴
・重だるく鈍い痛みが続く
・だるさや眠気を伴なう痛みがある
・痛いところを擦ると楽になる

生理の状態
・生理の終わりかけに痛みや倦怠感が強まる
・生理が終わってからも痛みが続くことがある
・経血の色が薄く、さらっとしている

*生活習慣で改善

過労を避けて、休息や睡眠を十分にとりましょう。軽い運動と深呼吸を忘れずに。

*食生活で改善

山芋類、ニンニク、羊肉、牛肉、鶏肉、レバー、ウナギ、豆類(黒豆、小豆など)、栗、エビ、クルミ、米、卵、茸類、黒ゴマ、牡蠣、桃などを摂りましょう。

体質は毎日の食事で変えられます!

①良い食事は、「温かく、消化しやすく、さっぱり味」

塩分過多、脂肪分過多、インスタント食品はむくみを、カフェインはイライラを呼び、甘い物は血がドロドロしてしまい、痛みが増えるとともに、生理前のだるさや心の不安定を助長します。

②穀類:加熱した野菜:動物性食品=2:2:1

食事のバランスは穀類:加熱した野菜:動物性食品(肉・魚)=2:2:1を意識するようにしましょう。また、普段の食事で葉物野菜が不足しがちです。具だくさんのお味噌汁や鍋、おひたしにすれば、たっぷり摂れておすすめです。

③腹八分目

食後に苦しくない、眠くならない、だるくならない量が適切です。

まず婦人科で検査を受けましょう

 生理痛がひどい場合は、病院へ行って一度検査を受けてくださいね。まずはどういう状況かを知ることが大事です。その上で対策を練る方が効果的ですよ。しかし、ひどい生理痛なのに、検査では何も原因が見つからないということもよくあります。そういう方は漢方や中医学的な養生での対策を取り入れてみてください。

 冷えているときは温める漢方を。ストレスのときは、ストレスから起きる体の反応を最小限にする漢方を。ドロドロ血には、血の質を上げて巡りやすくするものを。エネルギーと栄養の不足にはそれらを補う漢方と養生法を合わせて、それぞれ生理痛を改善していきます。実際に私のお店でも、たくさんの方が養生と漢方を組み合わせることで楽になっています。漢方は長く飲み続けなくても効きますよ。

プロフィール

櫻井大典(さくらい・だいすけ)
北海道北見市にあるミドリ薬品の店長。健康意識の高い街・アメリカのサンフランシスコの大学で心理学を学び、帰国後イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。医薬品登録販売者・国際中医師・日本中医薬研究会会員。

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