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つらい肩こり解消エクササイズ|理学療法士が提唱!ストレッチじゃ効かない肩こりの治し方

なぜ肩が凝るのか?その理由は、長時間の不良姿勢や、重い頭部を支えている首と2本の腕の重さが肩に集中するためだと考えられます。肩こりがひどくなると眠れないという人もいるほど。実際に、厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査」によると、女性が訴える自覚症状の第1位が肩こり、第2位が腰痛で、男性でも第1位の腰痛に次いで第2位に肩こりが挙げられています。肩こりの原因になる筋肉と、なぜそのような状態になるのか、またその対処法をお話していきます。

堀川ゆき

肩こりとは何か

凝りは、専門用語で「筋硬結(きんこうけつ)」といったりします。凝りの正体は筋肉の疲労であり、常にその筋肉が緊張した状態が長引いていることが原因です。

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photo by Getty Images

例えば、筋力トレーニングをした時に、同じ筋肉を連続して筋トレすると、疲労が蓄積して徐々にだるくなっていきます。そこで筋トレを休止とすぐに「だるさ」は取れますが、肩こりの場合は、不良姿勢や頭部と腕の重さなどによって、休むことなく常に筋肉が緊張している状態にあるので、だるさがずっと残り続けます。それが肩こりです。

また、筋肉の中には血管が流れていて、筋肉が緊張して硬くなることで血管が狭くなります。血管が狭くなると酸素などの栄養分の循環が悪くなり、疲れを感じる疲労物質や、痛みを感じる発痛物質が筋肉内に停滞するようになります。その結果、肩に重だるさや痛みを自覚することで、肩こりのような症状が現れるのです。

肩こりの原因になる筋肉は?

肩こりを起こす筋肉のランキングは、具体的に次の筋肉です。

1位:僧帽筋(そうぼうきん)の上部
2位:肩甲挙筋(けんこうきょきん)
3位:菱形筋(りょうけいきん)

これら3つの筋肉の共通した働きは、肩をすくめた時のように、肩甲骨を頭の方に持ち上げること「挙上」です。3つの筋肉すべてが肩甲骨についているので、肩こりに対するアプローチは肩甲骨に着目するのがポイントです。

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Illustration by Illust AC ぷりこ

ほかにも、身体の前側にある、以下の筋肉など、原因となる筋肉はいくつかあります。

・大胸筋(だいきょうきん)
・小胸筋(しょうきょうきん)
・胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
・背中側にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)

大胸筋は胸の前面に大きく広がり、小胸筋は大胸筋の深層で鎖骨の下の辺りに、胸鎖乳突筋は首の前面に左右ある筋肉です。脊柱起立筋は背骨のライン状にある後ろ側の筋肉です。

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Illustration by Illust AC 筒井よしほ

肩こりを2つのタイプに分けてみる

肩こりの方の姿勢は人それぞれで一概には言えませんが、今回は2つのタイプに分けてみたいと思います。

1「猫背」タイプ

「猫背」は、肩こりの方に多い姿勢です。姿勢を横から見たとき、頭の位置が肩よりも前に出ています。具体的には胸椎が過後弯で頭部が前方位にある状態をいいます。頭部が前方にあるということは、首の後ろの筋肉が引っ張られながら頭の重さを支える必要があり、その緊張状態が続くと結果的に肩こりを引き起こします。僧帽筋上部、肩甲挙筋、菱形筋がすべて伸ばされている状態が常に続いている姿勢です。

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Photo by Yuki Horikawa

2「胸張り」タイプ

立ち姿もキレイで一見姿勢は良いのに、肩こりを自覚している方がこちら。ヨガの愛好家にありがちな印象です。良い姿勢を保とうとして、両肩を必要以上に後ろに引いて胸を張り過ぎることで、胸椎本来の自然な後弯がなくなり胸椎がストレート、もしくは前弯してしまっているのです。「いつも姿勢良いねと言われるけど、実は肩こりです」という方はこのタイプかもしれません。

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Photo by Yuki Horikawa

理想的な姿勢とは

僧帽筋上部、肩甲挙筋が伸ばされてしまっていて、菱形筋は縮んだ状態が常に続いている姿勢です。本来の背骨は、横から見た時に頚椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯、仙骨と尾骨は前弯のS字カーブを描いていることが理想です。そして上半身は、耳垂(耳たぶ)と肩峰と大転子が、床から引いた垂直線上に一列に並んでいることが良いとされています。

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Photo by Yuki Horikawa

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