肩こりとは何か
凝りは、専門用語で「筋硬結(きんこうけつ)」といったりします。凝りの正体は筋肉の疲労であり、常にその筋肉が緊張した状態が長引いていることが原因です。

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例えば、筋力トレーニングをした時に、同じ筋肉を連続して筋トレすると、疲労が蓄積して徐々にだるくなっていきます。そこで筋トレを休止とすぐに「だるさ」は取れますが、肩こりの場合は、不良姿勢や頭部と腕の重さなどによって、休むことなく常に筋肉が緊張している状態にあるので、だるさがずっと残り続けます。それが肩こりです。
また、筋肉の中には血管が流れていて、筋肉が緊張して硬くなることで血管が狭くなります。血管が狭くなると酸素などの栄養分の循環が悪くなり、疲れを感じる疲労物質や、痛みを感じる発痛物質が筋肉内に停滞するようになります。その結果、肩に重だるさや痛みを自覚することで、肩こりのような症状が現れるのです。
肩こりの原因になる筋肉は?
肩こりを起こす筋肉のランキングは、具体的に次の筋肉です。
1位:僧帽筋(そうぼうきん)の上部
2位:肩甲挙筋(けんこうきょきん)
3位:菱形筋(りょうけいきん)
これら3つの筋肉の共通した働きは、肩をすくめた時のように、肩甲骨を頭の方に持ち上げること「挙上」です。3つの筋肉すべてが肩甲骨についているので、肩こりに対するアプローチは肩甲骨に着目するのがポイントです。

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ほかにも、身体の前側にある、以下の筋肉など、原因となる筋肉はいくつかあります。
・大胸筋(だいきょうきん)
・小胸筋(しょうきょうきん)
・胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
・背中側にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
大胸筋は胸の前面に大きく広がり、小胸筋は大胸筋の深層で鎖骨の下の辺りに、胸鎖乳突筋は首の前面に左右ある筋肉です。脊柱起立筋は背骨のライン状にある後ろ側の筋肉です。

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肩こりを2つのタイプに分けてみる
肩こりの方の姿勢は人それぞれで一概には言えませんが、今回は2つのタイプに分けてみたいと思います。