毎日の食卓にかかせないお米。炊飯器、土鍋…おいしい「炊き方」には色々とこだわりを持っている方も多いでしょう。でも、お米をおいしく炊きあげるには、まず研ぎ方が大切なのです。今回は、正しいお米の研ぎ方をもういちどおさらいしてみましょう。
mayka923
正しいお米の研ぎ方をマスター
炊飯まえのお米研ぎ、なんのためにするのかご存知ですか?精米したお米の表面には、取り切れなかったぬかや汚れがまだ残っています。これを取りのぞくためです。しかし、これらを単に洗い落とせばよいということでもありません。
おいしいお米を炊き上げるには、きちんと計量されたお米と、米そのものの味をそこねない正しい研ぎ方が大切です。使うお水も、その工程ごとに意味合いがことなります。
まずはきちんと計量!
お米を炊くときには、お米と合わせるお水の量のバランスがとても大切です。毎回の計量で、お米の分量に誤差があると、水分量とのバランスがくずれ、炊きあがりの固さや味わいに影響がでてしまいます。
正しいお米の計り方
通常、お米の計量には1合(180ml)の計量カップを使います。
1. お米をカップにあふれる程度にすくい、軽くゆすりながらカップに隙間なくお米がつまっていることを確認します。
2. 箸やスプーンの背を使って余分なお米を平らに除きます。
この擦り切れ1杯が1合となります。
研ぐ前にすすぎをしっかり
まずは、お米の表面についている糠や汚れを取りのぞくために、水で手早くすすぎます。この手早いすすぎには理由があります。精米され乾燥した状態のお米は、最初に水にふれたときに、一番水を吸収しようとします。最初の水はサッとかきまぜたらすぐに捨て、とれた糠の匂いを米が吸わないようにすることが大切です。
すすぎ方
1回目のすすぎは、水をはったボウルにお米をいれ、手でさっとかきまぜたら、すぐにお米をざるにうつします。もう一度、ボウルに水をはり、同じように軽くすすいで、水切りをします。
1回目のお水は、お米が吸収する最初のお水なので、浄水やミネラルウォーターをつかうとよいでしょう。2回の手早いすすぎで完了です。
お米を研ぐ回数は?
お米の研ぎ方
次に、「研ぎ」です。水切りしたお米をボウルにいれ、猫の手のように丸めた手で、一定のリズムと方向でで20回ほどやさしくかきまぜます。「手のひらを使ってギュッギュっと研ぐ」のは精米技術が今ほど発達していなかった昔の話。
最近の精米は、糠はほぼ取り除かれいますので、お米の表面にあるおいしさを残し、お米が割れたりすることのないように「かきまぜる」くらいがちょうど良いでしょう。そのあと、ボウルに水をいれ、白く濁った研ぎ汁を捨てます。
何回くらいくりかえせばいい?
続けてボウルに水をため、下の方に溜まった濃い研ぎ汁をひとまぜしてからすぐに流す作業を2回ほど繰り返します。
うっすらとお米が透けてみえるくらいの濁りになれば完了です。水が透明になるまで替える必要はありません。
おいしく炊くなら浸水を
すすいで水切りしたお米に、炊飯用のお水を加えます。お水を加えたら、できれば40分から1時間、浸水させましょう。水温の低い冬場は2時間ほど浸けるとよいでしょう。洗米してすぐに炊飯すると、表面だけが柔らかい芯のあるご飯になってしまいます。
お米ひと粒ひと粒の中まで水を浸透させることで、柔らかくなり熱がつたわりやすくなるのです。充分な浸水で、むらなく、芯までふっくらとしたおいしいご飯が炊きあがります。
手が冷たい……お湯で研ぐのはだめ?
素手でおこなうお米研ぎ。寒い季節は水が冷たくて…という方もいると思います。でもお湯で研ぐのはさけましょう。お湯で研ぐことで、お米に以下のようなデメリットが生じます。
1. すすぎで落とした糠のにおいを吸収しやすくなる。
2. お米の甘味のもととなる糖がながれでてしまう。
3. 外側がふやけて割れやすくなる(割れたお米はべちゃべちゃご飯の原因に)。
4. 表面だけが加熱されてしまい、芯まで吸水できなくなる。
ひとつひとつの工程を大切に
毎日、何気なくやっているお米研ぎ。このようにひとつひとつの工程にはきちんと意味があります。ご紹介したのは基本の研ぎ方ですが、精米してから一定の期間がたった古米では、よりしっかりとした研ぎが必要となりますし、研ぐ必要のない無洗米も多く売られています。
お米にあった方法で、ひと粒ひと粒のお米を丁寧に扱うことが、ふっくら甘味と艶のあるご飯を炊く秘訣といえるでしょう。さあ、今日もおいしいご飯を召し上がれ♪